昨年の10月26日未明にスーパー台風26号(現地名YUTU)がサイパン島南部とテニアン島を直撃し、 我々が1年がかりで準備したアイアンマンサイパンを吹き飛ばしただけでなく、2か月半経った今もサイパン島はそのダメージからの復興が道半ばにあるということです。
以下は、昨日現地の友人4人から聞き取った情報です。公に発表されている情報とは少し違いがあります。
・サイパン島の北部と中央部はほとんど回復していますが、被害の大きかった南部に関しては、水道は復旧しましたが、未だに電気・電話・インターネットが 使えない状況にあるということです。
・家屋が全損した家は米国政府からテントが支給されているということです。しかし、上流階級ではない一般peopleは身を寄せ合って協力して 暮らしているということです。
・ホテルに関しては、我々が10月に泊まったアクエリアス・ビーチタワーは未だに壊れたままだそうです。また、被害の深刻な島最南端にある韓国資本のコーラル・オーシャン・ポイント・リゾートクラブ(COP)も まだ壊れたままで、復旧工事がされていないということです。これまた韓国資本のパシフィック・アイランド・クラブ(PIC)とワールドリゾートは営業を 開始しているということですが、一部のみのオープンでほとんど客がいないと言うことです。当然、プール施設は使用できません。
・韓国と中国からの飛行機はほぼほぼ台風前に戻ったということですが、両国ともに乗客数は少なく、台風前に回復していないということです。特に韓国人は台風前と比べたら大きく減ったと いうとこです。因みに、1997年のアジア通貨危機直後の韓国通貨危機の時は、韓国からの観光客がある日を境に完全にゼロになり、韓国系のホテルもなりふり構わずあっという間に全部引き上げたという 珍事がありました。国民性なのか、韓国人ツーリストはオセロゲームのような皆一様の動きをします。今も空港前に放ってあるセメントむき出しの建物(建設中のホテル)はその時の名残というか、置き土産です。
・全体の観光客数は現在50%くらいに回復しているということです。回復率は、中国人が一番で、その次に韓国人だそうです。これまで派手なオープンカーのレンタカーが島中を走り回っていましたが、今は皆無だそうです。レンタカー屋は青色吐息と聞いています。因みに、日本人観光客は元々ダイレクト便がなかったので、 台風前からほとんど訪れていません。
・サイパン島中央部ガラパン地区に建設中だった中国資本の巨大なカジノ付きホテルの建設工事が止まっているということです。そして、韓国企業へ売りに出されたということです。 おそらく、台風ダメージでカジノ客が激減したことや労働力の確保の困難さに加え、トランプ大統領による米中貿易摩擦やファーウェイ副会長逮捕事件の影響が大きいと推測できます。なぜなら、トランプが 米国領への中国人観光客の入国を厳しくすれば、米国領であるサイパンへ中国人は入れなくなり、島での投下資本の回収が不可能になるからです。習近平にとって、アメリカを思うがままに食い物にできたオバマ前大統領と違い、トランプはタフでリスキーと感じているはずです。
・韓国も中国も、昨年10月のスーパー台風でサイパンへの投資リスクに初めて気が付いたようです。この動きが韓国と中国とに一辺倒だった近年のサイパンに凶と出るのか、吉とでるのか、今後の展開に注目です。
・朗報もあります。6月からの定期便就航に向けて、3月後半からスカイマークがチャーターベースで成田〜サイパン便を運航させます。 もうすでにサイパン空港のレンタルスペースの契約もなされており、実現は確実と思います。 サイパンには、昔から「この目で見るまでは信用できない」という賢者の言葉がありますが、今度は大丈夫そうです。今、我々ができるベストの支援はサイパンへ観光で訪れることです。我々もスカイマークを利用して遊びに行こうと思っています。