友好都市実現に向けて
Vol.4
for the agreement of a friendship city--Vol.4

3月19日、突然、目黒市議より朗報が飛び込んできました。
サイパン市側の希望する7月4日に青梅市職員がサイパン市を訪問し、その後、年内に大勢待青梅市長がサイパン市を訪問し、締結という運びになるという情報です。2025年3月に開催された新年度予算の審議、予算決算委員会で決まったということです。しかし、残念なことに、7月4日は青梅市長のスケジュールにすでに予定が入っているので、行けないということです。
これまでの頑なな青梅市側の態度に「我々平民のやれることはやったし、もういいか」というあきらめムードが皆に漂っていました。それが、ここまで急展開したのは、事情を知る仲間たちや友人知人たちが市議会に働きかけてくれたのお陰です。これまで培ってきたKFCネットワークが活きました。

サイパン側が締結を希望している7月4日というのは大きな意味があって、かつて英国の植民地であったアメリカが英国から独立した記念日で、米国にとっては一年で最も特別な日です。そんな特別な日に締結できるというのは両市にとって、歴史的イベントで、特に青梅市民にとっても誇りになります。普通に考えると、その日は忙しいからNGというはずなんですが・・。
それを思うと、市職員だけでなく、市長も共に訪問して、締結できれば、なおさら良いと思います。どうしても無理ならば、仕方ないですが、何とか知恵を出して、青梅市長も米国独立記念日に訪問して欲しいものです。サイパン側はその式典のステージ上に青梅市側を迎え、盛大に歓迎したいということですから。
因みに、米国にとって、米国都市と外国都市との友好関係締結に関しては合衆国政府(ホワイトハウス)の関知事項で、締結すれば、彼らも青梅市の存在を知ることになります。

青梅市内のある中学校では現在の3年生が卒業を迎えるまでにサイパン市の中学校と語学交流を希望していると聞いています。
さらに、12月上旬には、青梅市スポーツ協会が常夏サイパン島の美しいビーチを借りて「ヨガ&ピラティス合宿」を開催する予定なっています。
締結が完了すれば、サイパンは常夏のビーチリゾートですから市民同士の交流は活発になると感じます。3時間で行け、時差1時間と身体に優しく、渡航費用もリーズナブルです。また、米国領ですが、物価は米国本土ほど高くなく、日本の物価とほぼ同じです。現地の人々は温和で、治安は日本よりずっと良好です。

歴史的な関係に関して、1914年、第一次世界大戦勃発に乗じて日本が北マリアナ諸島(主にサイパン島、テニアン島、ロタ島を指す)を当時の統治国であったドイツから無血占領しました。その後、第二次世界大戦で米国に敗れるまでの約30年間に亘り、パラオを南洋庁とした「南洋群島」の一部として日本がサイパンの統治を行いました。この間、近隣のテニアン島やロタ島を含めると約8万人の日本人(当時の現地チャモロ人は約5万人)が移住して、砂糖きびやコーヒーを栽培し、同時に農業、産業、文化を普及させ、飛行場、港、道路、電話と言ったインフラを充実させ、また、学校を作り日本国内と同様の教育を施しました。しかし、現在の日本人のほとんどがサイパンがかつて日本の統治領だった歴史を知りません。

このように統治下にあったチャモロ人を日本人と同等に扱い、それ以前の弾圧統治を行ったスペインやドイツと全く異なった政策で植民地化しました。この統治政策が今のチャモロ人の「日本人びいき気質」に繋がっていると思います。そして、今では少なくなりましたが、当時を知る年配の人たちは流暢な日本語を話せる人が多く、日本統治時代は良き時代だったと懐かしんでいました。その教えが現在の子孫にも受け継がれて、今があると思います。我々が知る限り、世界中で最も親日の民族と思います。2005年6月27日に「慰霊の旅」として天皇皇后両陛下がサイパンを訪問された時のエピソードがそれを如実に物語っています。詳しくは【こちら】をご覧ください。
現在のサイパン島の主な幹線道路は日本統治時代に砂糖きびを運搬するための機関車用鉄道でした。戦後に米国がそのレールを引き剥がし、その跡地を利用して造った道路です。また、現在のサイパン国際空港も日本統治時代の広大なサトウキビ畑の跡地です。まさに日本との濃い関係があった名残です。しかし、これらの歴史を現在のサイパンの若者のほとんどが知っていません。
第二次世界大戦終結後、北マリアナ諸島の統治権は米海軍の委ねられ、1947年に国連信託統治領となりました。その後、紆余曲折を経て、1978年に現在の米国領になりました。
2025/03/29 KFC記
■青梅市〜サイパン市 友好都市実現に向けて-- Vol.3をご覧ください。
■青梅市〜サイパン市 友好都市実現に向けて-- Vol.2をご覧ください。
■青梅市〜サイパン市 友好都市実現に向けて-- Vol.1をご覧ください。