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6月22日(土)、極上の海を持つ北マリアナ諸島(以後、マリアナと称す)にあるテニアン島で上記大会を開催しました。
テニアンでの大会は今年で13回目になります。本来ならば、今年が14回大会のはずなんですが、2011年は東日本大震災の影響を受け、 残念ながら開催を断念しました。
テニアンを訪れるためにはマリアナのメイン・アイランドであるサイパン島経由でなければなりません。ところが、近年、日本から サイパンへ行くためには、成田(東京)発でしか行くことはできません。なぜなら、数年前から大阪(関空)発と名古屋発は 年間通しての定期便がないからです。その影響で、サイパンへの日本人観光客は減っています。
さらにテニアンへはサイパンから飛行機乗継で行かねばなりません。そうなると、テニアンでのイベント開催はサイパンよりも さらに厳しいものがあります。
テニアン島はサイパン島の南方約5kmにある小さな島で、透明度の高い、ターコイズブルー(トルコ石色)の海を持つ 稀有な島です。
テニアンを訪れる度に「何でこんな色が出るのだろうか?」といつも思います。さらに偏光レンズ付きのサングラスを通して見れば、 海底にあるサンゴがくっきり見え、色のコントラストがより鮮やかに見えます。
透明度の高い海と海底の白い砂、 それに強烈な太陽光がそれを創り出していることは間違いありません。 それにしても不思議です。ロタブルーとは異なるタイプの魅力的な海です。
ロタ島のロタブルーを体験するには外洋まで泳いで行かなくてはなりません。トライアスロン大会という特殊なシチュエーションで 大勢のレスキュースタッフにカバーしてもらって、初めてそれが安全にできるのであって、単独で、お手軽に体験できるような柔い海では ありません。水深も相当にあり、ダイナミックな海です。それ故、インパクトも強烈です。
しかし、テニアンの海はロタほどのダイナミックさはありません。ビーチから手軽にエントリーでき、単独でも、安全に沖へ泳いで いくことができます。
水深はほとんどが10m前後で、最も深い所で20m位です。沖に大きなサンゴ礁があるため、海面は穏やかです。 そのため、地元の子供たちも四六時中、海(タガビーチ)で遊んでいます。万人向けの海と云う意味では、おそらく、 ミクロネシアで最も美しい海と言えます。
しかし、バイクコースはアイランド・シリーズ中、最もダイナミックなコースで、 決して侮れません。小さな島と云うよりも、 どこか大陸のド真ん中を走っているような感覚に陥ってしまうような不思議な島です。
テニアンには観光産業がほとんどないため、商業ベースのマスコミやガイドブックに取り上げられることがほとんどない島です。 もし、取り上げられたとしても、最後の1ページにちょろっと。それ故、情報不足や アクセス等々に様々な問題があります。
だからこそ、一大観光地サイパンとグアムの近くありながら、今なお、昔ながらの手付かずのピュアな 自然が残っているのです。 そして、反骨精神旺盛な我々KFCは、そんな忘れられたような島が大好きなんです。俄然、スイッチが入り、応援したくなるのです。
そもそもテニアン大会を立ち上げた動機は、日本国内では決して体験できないピュアな自然を持つこの島を、多くの日本人に 体験してもらいたいと思ったからです。
今年の参加人数は20人ほどで、我々KFCが過去20年間に開催した数多(約200本)ある大会の中で、最も参加者が少ない大会 になりました。大会運営の常識から言えば、 中止にしてもおかしくない数字です。当然、我々の台所事情も大赤字は間違いなし だからです。
しかし、こと、テニアン大会に関しては、これらの常識は通用しないと考えています。参加人数が少ないからと云って大会運営に 手抜きをしたり、中止を言い出すようなテニアン島民ではありません。
台所事情は致し方ないとしても、現テニアン政権と KFCとの太いパイプ、親日派の島民やターコイズブルーの海、14年間に亘る 我々とテニアン島民との信頼関係等々からして、参加者の皆さんには満足してもらえる大会ができると考えていました。
予想通り、10年来の友人であるメイヤー(市長)のレーモン・デラクルズは 「KFCの友人たちに粗相があってはならない。例年同様、 全力でやる。」 と言ってくれました。テニアンは日本と違って警察も消防もメイヤーの指揮下にあります。米国のシステムと同様です。 レーモンがやると云えば、皆こぞってやります。
そして、彼の指示の下、島民挙げ、テニアン・ホスピタリティを存分に発揮し、参加者の皆さんを大歓迎してくれました。 トライアスロンは目に見えないところで、様々な人の協力が必要です。警察や消防のサポート、スイムのブイを設置したり、 スイム・レスキューやバイクとランでのエイドステーションを受け持つ人も必要です。
道路を補修したり、掃除をしたり、それに道端の草を刈ったりする人。スイム会場のタガビーチに下りるハシゴを作ったり、 バイクラックを作ったり、ベンチのペンキを塗り替えたりする人。コース周辺の犬をつなぐように連絡して回る人。 シャワーを設置する人。シャワー用の水道を通すための工事をする人。エイドステーションの水やフルーツを手配する人。 パーティーの会場のテントやテーブルやイスを手配する人、パーティ用の食べ物を調達し、料理する者etc・・・。
わずか20人ほどの選手のために島の総力を挙げて動くということは、いかにテニアンと云えども、他のイベントでは考えらない ことです。手前ミソではありますが、KFCイベントだからこそ、成せる業です。
とは言うものの、一般の島民たちはちょっと気になった様子で、レース中、そっと近寄って来て、 「なぜ、今年はこんなに少ないの? 昨年、自分たちに何か粗相があったの?」等々、耳元で囁き掛けてきました。 チャモロ人(島民)は デカい体に似合わず、その実、繊細で小心者なんです。我々はそんなチャモロ人が好きなんです。
もちろん、「テニアン・ダイナスティ・ホテル&カジノ」(以後、ダイナスティと称す)も例年と変わらず協力的で、 その気持ちを随所に感じました。
今年は参加人数が少ないので、大会運営の財源である参加費は少ないだろうと、KFC関連の2部屋と 現地飛行機代金をフリーにしてくれました。ゼネラルマネージャーであるトム・リュー(中国人でグリーンカード持ち) の粋な計らいです。ダイナスティも決して儲かっているわけではないのに、です。
彼は我々KFCの台所事情をよく知っており、いつもチマチマ節約しているのを傍でみているからです。数年前から大会の日は ホテル・スタッフをタイム計測係に2人貸してくれます。
また、我々がホテルのレストランで食事をして、支払い伝票にサインしようとすると、レストラン・スタッフが 「ミスター・リューが支払ったよ」と。周りを見渡すと遠くにトム・リューがいて、手で合図を送ってきます。近年、こう云うケースが 度々あります。いい奴です。ぼちぼちKFCの島ネットワークである「南の島の仲間たち」に入れてもいいかな、 と思っています。
彼と知り合って10年になります。最初の頃は単なる客とマージャーとの関係で、如何にして安く泊まるか、如何にして 利益を上げるかの駆け引きを繰り返していました。
しかし、数年前、ちょうどテニアンの景気が極端に悪くなり始めた頃から、何となく気持ちが通じるようになってきました。
景気が悪くなると、それまで羽振りの良かった会社や団体がテニアンからあっさり引き揚げたり、カネに関するゴタゴタを起こしたり するものです。しかし、我々KFCは景気に左右されず、ブレずに、13年間同じスタイルで大会を続けてきました。それを見て、 こいつらは信頼できると思ったそうです。
6月22日(土)、レースは7時半に始まり、予定通りに進行し、怪我人や脱水症もなく、無事終わりました。レースの様子は 下記レポートフォトをご覧ください。
スタート時間が7時半と云うのは、南の島の大会ではかなり遅い方です。では、何故、そんなに遅い時間に設定したのかと云いますと、 日本の 選手の皆さんにターコイズブルーを体験してもらいたいからです。タガビーチの地形の関係からスイムコースに朝日が差し込み始めるのが7時半から なんです。
夕方、夕陽の美しいタガビーチで催されたアワード・パーティでは、 島民たちがそれぞれ自宅で作った美味しいローカル料理を 持ち寄ってくれました。
牛、豚、チキン、鹿肉などのBBQ料理、カツオの刺身、 野菜サラダ、パパイアのピクルス、スイカ、ケーキ等々、 そして冷たいビール。
そして、パーティ会場に集まった参加者の皆さんの顔は楽しそうで、昼間のレースに満足して下さった様子。開催して良かったと 確信した一瞬でした。改めて、「トライアスロン(OWSも)は、南の島が良く似合う」と実感した一日でした。
テニアンには、島民が最も力を入れる祭り「ホットペッパー・フェスティバル」が毎年2月に開催されています。この祭りでは、 テニアン特産の激辛唐辛子を使った何種類もの美味しい料理が振舞われ、近隣の島々から大勢の人が集まり、3日間に亘るテニアン島 最大の「食の祭典」です。
そして、来年からテニアン大会の開催時期を、この祭りの開催に合わせ2月に変更することにしました。正確には2月15日(土)です。 これで大会と祭りが 同時に楽しめ、極上の海と美味しい料理、それに親日派の島民たちとの触れ合いも楽しんでもらうこともできます。
開催時期の変更は、島民たちの要望が強く、 彼ら自慢の料理を、ぜひ日本の皆さんに味わってもらいたいと言います。 彼らは彼らなりに、選手の皆さんの胃袋を捕まえることで、集客(参加者数)アップに貢献しようとしているのです。
テニアンの持っているポテンシャル(自然と島民気質)を考えれば、地道に大会を続けさえすれば、近い将来、 必ずブレイクする時が来ると感じています。
それでは、トライスリートの皆さん、スイマーの皆さん、ブレイクする前に極上の海とアイランド・フードを体験しに、 ぜひ、テニアンへお越し下さい。
テニアン政庁、テニアン警察&消防、マリアナ政府観光局、テニアン・ダイナスティ・ホテル&カジノ
写真:小野口健太、テニアン警察海難救助部門