2017年10月15日
10月15日(日)に国内では初となる女子選手だけのトレラン大会を開催しました。
以前からトレランには女子だけのレースが必要では、と感じていました。その理由は性別の違いから生じる身体能力の差がロードの マラソンよりも顕著に現れるからです。
例えば、急こう配の上り坂や下り坂は単純に脚の筋肉がモノをいいます。男女が道幅の狭いトレイルを 交じって走れば、 その身体能力の違いから女子選手は自分のペースを守って走りにくいものです。ペース配分やコース取りもままならず、 それに気持ちが全く違ってきます。
そのような理由から、女子選手だけという条件で男子選手の存在を気にしないレースがあっても良いのでは、と考えていました。 そして、 距離を約15qに設定したのは、走力あるエリート選手だけでなく、トレラン初心者も安心して参加できるようにと思ったからです。
そうは言っても、会場に男子がまったくいない訳ではありません。同じチームや友人たちの男子のトレイルランナーたちがたくさん応援に 来られています。でも、先導や伴走で走ったりすることは禁止です。競技中はコース上を走るのは女子選手だけです。
第1回目にして、女子だけのトレランレースというのに約200名のも参加申込みがありました。そして、生憎の雨模様、それでも75%に 当たる約150名もの選手が出走されました。これを見る限り、精神的には男子選手よりもたくましいと思います。
さてレースの方は10:00ジャストに「風の子太陽の子広場」をスタートしました。雨対策でビニール袋を被って出走する選手も多々 見受けられました。当初は、快晴の秋晴れの下での開催を予想していたのですが、うっとうしいジトジト雨と云う悪コンディション下で の 開催となってしまいました。残念ですが、天候に左右されるのはアウトドアスポーツの宿命です。
でも、ポジティブに捉えれば、練習等々で雨の日にトレランをすることなどありません。
しかし、レースなら多くのスタッフや 医療班に よってカバーされているから安心してトレイルを走ることができます。
良いチャンス、良い経験だと前向きに捉えてください。 そうすれば、 雨のレースでも気持ちが軽くなり、モチベーションも上がります。
大会会場は青梅市永山公園にある風の子太陽の子広場です。トレランの大会会場は交通の便がイマイチの場所が多いものですが、 ここ永山公園はJR青梅駅から徒歩で数分というアクセスの良さで、女子一人でも安心して参加ができます。
コースは、風の子広場から青梅丘陵ハイキングコースに出て、栗平林道を下り、武田氏の末裔が住むと言われている青梅の 隠れ里「栗平地区」 を目指します。ここは僅かに3軒の民家と自然農を実践されている「賢治の学校」があるだけで、 地元青梅の人でも、その存在を知っている人は 僅かです。深い山間部にある不思議な空間です。我々的にはお気に入りのスポットです。
栗平地区に着くと、4月のレースとは違って、裏山には上らず、集落の軒先を縫って、栗平林道へ出て、再び青梅丘陵ハイキングコースへ 戻ってきます。
そして、そこからは来た道の逆走でゴール地点を目指しますが、途中で、転倒回避のため、矢倉台の下り激坂を迂回し、 都心のビル群や横田基地を望むビュースポットを通過します。でも、この日は生憎の雨で、視界が効きませんでした。
今回は女子だけのレースと云うことで、転倒やケガを避けることを最優先にコース設定をしました。そして、栗平の「賢治の学校」 エイド ステーション以外にも、分岐道や下り坂等々に多くのスタッフを配備し、いつも以上に安全監視には注意を払いました。
トップでゴール地点へ戻って来たのは、地元青梅の石川奈都子選手(1:22:13/青梅慶友病院)でした。石川選手は学生時代、 競歩の選手だった ということです。これで「第1回ロタコーヒーマラソン大会」 への招待権をゲットされました。
2位は巻野陽子選手(1:30:41/神奈川県)、3位は田畑寧音選手(1:30:55/東京都)、4位は福田都選手(1:30:58/茨城県)、 5位は 中原日奈子選手(1:36:00/神奈川県/チ―ムマグナム)、6位は嶋崎恵美選手(1:36:44/東京都/青梅トレラン部)でした。 皆さん、足元の 滑りやすいコンディションで、これらのタイムは立派です。
レース後、ほっこり話を耳にしました。それは僅か3軒しかない栗平集落の内の1軒を実家(おそらく祖父母)とする選手(その孫)が 参加されており、実家の方が近くのコース脇で応援されていたと云うことでした。非常に確率の低いことで、これも何かの縁を感じます。
さて、ジトジト雨と云うのにゴール会場は盛り上がっていました。一般の男女混合レースの時よりもワイワイガヤガヤ楽しそうでした。 そして、華やかで、カラフルです。今後、ますます発展していく可能性を感じました。
最後に、大会用の横断幕ですが、いつもと違って、何か変?を感じた人もいたと思います。実は、印刷会社のミスで写真やロゴマークが 全て欠落していたのです。だから、空白ばかりが目立つ横断幕になっていたのです。そして、それに気が付いたのが、大会前日 だったので、 どうにもできませんでした。来年は、修正版の正しいものを掲示します。
青梅市成木8丁目栗平地区、賢治の学校、西東京市役所トレランクラブ、佐藤スポーツ
写真:武智佑真 動画:中屋重男