イベント報告
第16回青梅高水山トレイルラン
16th Ome Takamizu Trail Run
2014年4月6日(日)
■KFC徒然

今年、2月中頃に2度の大雪が関東地方を襲いました。かつて経験したことのないような大雪で山間部では、優に積雪1mを超えていました。

檜原村は陸の孤島になってしまい、自衛隊や機動隊が出動して除雪をしたくらいです。同じく、小菅村も陸の孤島になってしまい、 これまた自衛隊が救援に来て、生活道路の除雪をしたそうです。また、御岳山も、自衛隊、青梅警察署、青梅消防署等々が入り除雪を作業をしましたが、 長い間、孤立状態が続きました。

そして、本大会の折返し地点である高水山でも、場所によっては1.5mを超えているところもありました。 平野部の青梅市街でも膝上まで積もっていました。

この大雪を受けて、参加者から2月下旬頃に4月6日の本大会開催の有無を尋ねる電話があったくらいです。東京の青梅で2月に降った雪が、 幾ら多いと云っても、4月上旬まで残ることなど、冷静に考えれば、有り得ません。一種のパニック状態です。しかし、 参加者にそう考えさせてしまうほどの大雪だったのです。

【積雪が溶け、いよいよ試走開始】

昔の教えに「暑さ寒さも彼岸まで」とあるように、彼岸を過ぎ、暖かい日が続くようになると、永山公園から榎峠までの積雪は 消えました。

続て、3月下旬には高水山常福院境内の雪もほとんど消え、ランナーが駆けるには何の問題もなくなりました。 いよいよ待ちに待った試走の開始です。

ただ、雪の重さによる倒木はコース上の至る所にあり、雪解けと同時に片付け作業に入り、地元成木地区の人たちや栗平地区の人たちの 助けを借り、3月末には全コースに亘ってクリアにしました。例年になく、チェーンソーが大活躍でした。これだけ本数が多くては ノコギリではとても対応できません。

【突然の会場変更とポカ】

当初、大会会場に予定していた「風の子太陽の子広場」を、急きょ「桜見本園」という小さめの公園に変更しました。 この公園はかつて4年間ほど大会会場として使ったことがります。

直接の原因は風の子太陽の子広場からハイキングコースへの導線上の遊歩道に 危険な倒木(頭上に覆いかぶさるような樹木)が1本あり、ここを管理する市体育課から予算がないので、大会日までに 除去は困難と言われてしまったためです。もし、スタートのタイミングで選手の列に頭上から落下したら大事故につながることは必至です。

その頃(3月中頃)、広島県三原市で突然木が倒れ、歩行者に当たって重体というニュースを耳にしていたので、想定できるリスクは 最初から 取り除いておいた方がベターと云う判断からです。

その突然の会場変更に伴い、参加者への告知、桜見本園使用の手続き、近隣住民への挨拶、スタート地点の変更、簡易トイレ設置場所の 変更等々に追われ、青梅警察署と青梅消防署へ会場変更の届け出を提出するのをすっかり忘れていました。

大会当日の朝、突然、大西の携帯が鳴り、「風の子広場に来たけど、誰もいないけど?どうなっているの?」「あっ!・・・」。 その時に気づいても、 後の祭りでした。警察官も消防署員の方も、誰もいない風の子広場に視察に来られたのです。当然、叱られてしまいました。 本当に迂闊でした。来年は風の子太陽の子広場へ戻します。

【目まぐるしく変わる不思議な天気】

大会日の1週間前の天気予報は6日(大会日)晴れとなっていたのですが、大会日が近づくにつれ、悪い方へ変化して行きました。

そして、大会日は、桜は満開なのですが、目まぐるしく変わる天候で、一日の間に寒くなったり、暑くなったり、曇ったり、晴れたり、 雨や雪がふったり、ヒョウが降ったりと、すべての天気を体験しました。長年、大会をやっていますが、こんなに不思議な天候は初めてです。

大会の方は、今年からゼッケンと使い捨てタイム計測タグを前もって郵送しておいたことにより、朝の選手受付が無くなり、 参加者にも大会スタッフにも ピリピリした雰囲気はなく、スムーズに事は進んでいきました。但し、参加賞の手渡しは予想以上の 行列ができてしまい、来年の反省点です。

【エイドステーション効果】

10:00amオンタイムで、30q部はスタートして行きました。続いて、10:30amに15q部がスタートして行きました。

今年は30q部折返し地点である高水山常福院での給水やフルーツ(バナナ)の供給ができませんでした。理由は、 大雪による なちゃぎり林道の崩壊で、運搬車両が常福院までそれらを運び上げることができなかったからです。来年は復活予定です。

しかし、結局、エイドステーションはオフィシャルエイドと地域の人のご厚意による私設エイドを合わせると5カ所(30q部4つ、 15q部1つ) と云う充実したものになりました。

お蔭さまで、怪我人は過去もっとも少ない人数(3名)ですみました。これらは、近年、急激にトレイルランナーのレベルが 上がったことにもよりますが、 コース上のエイドステーション効果も大きかったと考えています。

山深いコース上でのエイド設置は困難ですが、それは水や食料の供給だけでなく、 ランナーに安心感を与えたり、 リアルタイムで情報交換ができたり等々、安全な運営のためには非常に大切な要素と考えています。

【有難い地域の応援と理解】

15km部コース上に“青梅の隠れ里”と呼ばれている栗平集落で自然農の理論を実践されている「宮沢賢治の学校」という農園があります。

この農園の所有者である萩原さんのご厚意で、農園内にある小道をコースとして使わせて頂いています。さらに、 エイドまで設置して頂いています。

そして、このエイドには、以前から選手たちに大好評になっている名物があります。それは農園内に生っているたくさんの夏ミカンです。

萩原さんがそれらをレースの直前に収穫して、食べやすいようにカットし、コース脇に並べ、選手の皆さんに提供して下さっています。 新鮮なので水分たっぷり、疲労回復のクエン酸たっぷり、ビタミンCたっぷりの応援フルーツです。

【マイケルから元気配信】

今年、長年スポンサーをして下さったフランスの山系グッズメーカー“Lafuma”との契約が解消しました。

理由は、スポンサー契約していた 国内の会社がLafumaブランドのシューズやウェアといったトレラン用グッズを取り扱なくなったからです。だから、 これまでLafumaと印字していたゼッケンカードの上部スペースが空いてしまいました。このスペースは露出効果・宣伝効果が高いので、 何か価値あることに使いたいと思いました。

そこで、色々考えた挙句、「元気配信」、これしかないと決め、その4文字をそのスペースにプリントしました。

この4文字は、3年前の3月11日の 東日本大震災直後、国内に蔓延する自粛ムードの反し、強行開催した第13回大会にあります。

その時の参加者のひとり、上原良文さんがマイケル・ジャクソンに仮装し、胸に「元気配信」と書いて出走、会場から被災地へ向けて 発信してくれたもので、的を得た単純明快なメッセージです。何と言っても、あの"We are the World"のマイケルですから。

最近、東日本大震災の記憶が世間的に薄れてきたように感じるので、このメッセージを見て、改めで被災地のことを 思って欲しいとの願いを込めたものです。因みに、今年の東京トレランシリーズ全4戦は、全てこれで行くつもりです。

【レース結果】

30q部優勝者は強豪の栗原孝浩選手(群馬県)2:03:24、女子は無敵の山口季見子選手(東京都)2:32:124でした。 15q部優勝者は宮野博行選手(千葉県)0:59:49、女子は小笠原望選手(東京都)1:18:30でした。

これらの皆さんは2014年度の東京トレランシリーズのチャンピオンレースで全員10ポイントを獲得されたことになります。 そして、第2戦の「TOKYO成木の森トレイルラン」、第3戦の「多摩川源流トレイルラン」、そして最終戦の 「第15回みたけ山トレイルラン大会」でシリーズ・チャンピォンが決まります。

レースの模様は、”百聞は一見にしかず”、以下の「レポート・フォト」をご覧下さい。

では、皆さん、来年も桜の季節に青梅の山でお会いしましょう。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

青梅市(後援) 高水山常福院 成木7丁目自治会 成木8丁目白岩自治会 成木8丁目栗平地区  一般社団法人里仁会 賢治の学校 青梅山林災害対策協議会 東京都森林組合青梅事務所 佐藤スポーツ  トライスポーツ、西東京市役所トレランクラブ、ホテルコンフェスタイン

写真提供:小野口健太、武智、舘岡正俊、斎藤文子