イベント報告
第8回パラオ・チャレンジ!
2014年11月29日(土)〜30日(日)
8th Palau Challenge
Triathlon+OWS+Road Race !!
■KFC徒然

11月29日(土)と30日(日)にパラオ共和国で第8回目となるパラオ・チャレンジ(トライアスロン、OWS、ロードレース)を 開催しました。 これが2014年度アイランド・シリーズの最終戦となります。

【大西のポカ】

過去、毎年開催日は12月の第1週に決まっていました。ところが、その日程を勘違いした大西が11月最終週の開催で募集を 開始してしまったのです。同じ頃、現地パラオでは例年通り、12月の第1周でポスターやチラシ、それに横断幕を製作して告知を始めて いました。

これに気がついた現地ロック・アイランド・ツアーの菊池さんがメールをくれました。元来、11月のパラオは行事が多くて、12月初め の開催がベストなのです。完全に大西のポカです。すでに旅行手配の済んでいる参加者がいたので、パラオの友人たちには申し訳ない と思いましたが、日程の変更をしてもらいました。

しかし、大会が終わり、選手の皆さんの帰国後、12月4日に台風Hagupitがパラオ通過となったので、結果オーライだったのかも。

【観光客溢れるパラオ】

アイランド・シリーズ開催の目的は島(施設)興し、すなわち、その島のイメージアップと観光プロモーションが 主な目的です。

複合競技であるトライアスロン大会を開催できると云うことは、平和であること、インフラがしっかりしていること、衛生面が しっかりしていること、治安が良いこと、医療面がしっかりしていること、野犬がいないこと、島民のコモンセンス(常識)が一定の レベルに あること等々の証明です。だから、安心して観光に来て下さい、というシグナルになるのです。

パラオ・チャレンジはかつて観光客のほぼ全てがダイバーであったパラオにおいて、ダイバー以外の観光客を誘致するために立ち上げたものです。

しかし、今年の中頃から、パラオは急激に大勢の観光客で溢れかえるようになりました。それらはダイバーだけではありません。 特に経済成長著しい中国からが”すごい”と聞く。

確かにすごい。昨年までは台湾人観光客はいても、中国人観光客は見かけることはなかったのに。時代が、確実に変わったのです。

近頃では、各ホテルの稼働率が95%以上で、日常的に部屋数が 不足状態にあると聞く。元々パラオはホテル数が少ないと云う事情があります。

それ故、中国以外の国々からの観光客(日本やオーストラリアやヨーロッパ等々)が来島しにくい状況になっています。 本大会も、ホテル(ツアー)が手配できなくて、大会の参加を残念した人も多くいます。

それなら、苦労して、ダイバー以外の観光客誘致のために立ち上げたパラオ・チャレンジを 開催する意味はないのではないか、と思ってしまいます。

因みに、今年の急激な中国人観光客の増加の裏には、習近平の野望が見え隠れするような気がします。

【純粋な現地の友人たち】

しかし、現地のトライアスロン連盟の友人たちは、そんなことにはお構いなしに、来島した選手を健気(けなげ)にもてなし、 早朝から、 炎天下でも、選手にレースを楽しんでもらえるように努めています。

お金(収支)のこともほとんど考えていません。なぜなら、 現地の参加費は45ドル、先進国日本の参加費は18000円です。これらを 全部合わせても高が知れており、十分とは言えません。国際大会として、 競技運営だけでなく、ホテルでのパーティ等々の 体を成すためにも、それなりのお金はかかります。

よくよく彼らを観察していて、感じたことは、彼らはスポーツとして、トライアスロンやOWS、それにロードレースが純粋に好きなのです。 それ故、他島のアイランド・シリーズと同じく、自分たちの島でも、我々日本人と一緒に、国際大会を開催することに誇りを 感じているのです。

パラオにだけないのは嫌なんです。単純なんです。難しいことは考えていないのです。 昨年からこんな彼らが可愛く思えるようになってきました。

【第8回目のパラオ・チャレンジ開催】

29日(土)、朝6時過ぎからトライアスロンとOWSが同時スタートしました。

パラオ・パシフィック・リゾート(PPR)の海は波一つなく、 鏡のようです。透明度も抜群です。水温も30度近くありそう。スイムには最高の コンディションです。

スイムアップ後、トライアスリートたちがバイクで出て行く。

OWSの選手たちは距離が長いので、トライアスリートたちがいなくなってからスイムアップして来ます。そして、 最長の5q部の優勝者は8連覇更新中の瀬戸学選手です。

バイクは、途中、コロールの繁華街を抜けます。市街地部分の2kmほどは交通量が多く、 路面もイマイチ。この区間に関しては、皆、何とかしたいと願っています。そして、ランはパラオ名物の海中道路を走ります。 そして、パラオ・パシフィック・リゾート(PPR)に戻り、ゴールとなります。

【ゴール地点をパラオ国際空港へ】

翌30日(日)、朝6時からパラオ最大の島バベルダオブの周回道路(約100km)を使ったロードレースが開催されました。

日本の 高速道路並みに 整備されており、交通量はほとんどなく、信号もありません。路面も最高です。自転車の本場イタリアやフランスにも、 これほどダイナミックで 路面コンディションの良いコースはありません。世界最高最大のロードレース・サーキットです。

これまで、一部に路面の陥没があり、周回コースを取れませんでした。しかし、今年、 ほとんど修復されたので、来年からは、 念願の周回コースで開催する予定です。

スタート地点は、例年通り、KBシェル石油となりますが、 ゴール地点はパラオ国際空港に 変更することにしました。

近年はオーストラリア選手が連覇しているので、何とか日本人選手に連覇を阻止して 欲しいものです。

【合同のアワード・パーティ】

そして、その日の夕方、オリンピック委員会の会長バクライさん、パラオ政府観光局長ナナエさん、 在パラオ日本国大使館の 田尻大使等々の錚々たる面々が出席され、PPRのロビーで3種目合同のアワード・パーティが催されました。食事は恒例の バイキング・スタイルでした。

帰り際、バクライが、「明日、フリーダ(パラオ・トライアスロン連盟会長)を交えて、レストラン”アイライ”で ディナー・ミーティングをしよう。」と耳打ちしてきました。何か、トップ会談で話したいことがあるんだなと思いました。

アイライは、コロールの夜景を見下ろせるオープン・エアーの洒落たレストランで、 現地では超高級として通っています。

【意表を突くバクライ・プラン】

ミーティングの席上で、バクライが先ず挨拶代わりに「2020年の東京オリンピック開催おめでとう。」と。 オリンピック組織には、 これと云って関係はないが、この場は、一応、 日本代表して「ありがとう。」と答えておきました。因みに、先のオリンピック誘致合戦の時、パラオは東京を応援してくれました。

続いて、 バベルダオブ島の周回道路だけを使って、トライアスロン大会ができないだろうか、と発案しました。理由は、交通量が多く、 路面の良くないコロールの街中区間を避けるためです。

バベルダオブ島にも泳げる場所はあるかと尋ねると、チェックするという。 四方を海に囲まれているパラオですが、そのイメージに 反して、安全に泳げる場所が意外と少ないのです。

また、バベルダオブ島には適当なホテルがありません。だから、バイクの搬送を午前中に行い、スタート時間を午後にしてはどうか、 ということになりました。午後1時か2時にスタートして、涼しい夕方にフィニッシュというプランです。朝の弱い参加者には歓迎でしょう。

しかし、実現にはまだまだ詰めるところが多く、即、来年からという訳にはいかないでしょう。

因みに、PPRからバベルダオブ島のスイム会場までの選手とバイクの搬送は彼らが担うという。

今のままでも、独立国パラオらしくて、他の島にはない雑多な味を出しており、十分楽しいレースだと思います。しかし、もし、将来、 トライアスロン参加人数が100人を超えると、ロタ島に似た環境のバベルダオブ島で開催した方が良いと思う。検討の価値ありです。

【天皇、ご来島】

レースとは関係ありませんが、天皇が2015 年4月上旬に慰問のためパラオをご訪問されることになっています。

これは、2005年6月のサイパン島慰問に続くものです。 パラオではサイパンの様な「横断幕事件」は起こらないと思います。

今、現地の友人たちは、 皆、天皇の訪問を歓迎していますが、ご高齢の天皇にパラオの暑さは大丈夫だろうか、と心配していました。

因みに、赤道に近いパラオは サイパンより遥かに暑い島です。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

パラオ・パシフィック・リゾート

カメラマン:小野口健太