2014年5月11日
5月11日(日)、五月晴れの下、眩いばかりに新緑が萌える森で、全国から約700人のトレイルランナーを募り、上記大会を開催しました。
通常、本大会はスタートから約4q先の高水山常福院までは“なちゃぎり林道“を走ります。だから、その区間で選手はバラけて渋滞は 起こりません。
しかし、今年は2月中旬の大雪で、スタートから500mほど奥の林道部分が崩れてしまいました。それで、スタート直後に 常福院境内へ続く表参道というシングルトレイル約200mを、そのう回路として走らざるを得ませんでした。
そのためスタート直後に渋滞が発生してしまいました。想定内とは言え、選手の皆さんにはご迷惑を掛けてしまいました。来年からは、 従来通り、林道を走ることができますので、ご安心を。
今年は折返し地点を従来の“棒の嶺”山頂から、その奥にある“長尾丸山”山頂まで延長しました。延長部分は往復で約5qです。 これまで距離が短いと云う意見が多かったので、それに応えて延ばして見ました。
その延長コースは、この時季、広葉樹の新緑が存分に楽しめるコースで、タフなアップダウンはあるものの、 足元は落ち葉でふわふわ、参加者の皆さんには大好評でした。
しかし、ゴールした皆さんの疲労度は相当なもの、ふらふらしながら 地元ボランティアの方から豚汁を受け取り、美味そうに 食べていました。そして、その顔には達成感と満足感が広がっていました。しかし、参加者の約15%の選手が制限時間4時間半を 過ぎてしまい、タイムオーバーとなりました。しかし、それでも、立派に完走されました。
年間通して、5月の暑い日は脱水症が起こりやすい時季です。しかし、レース中の選手を観ていると、携帯している水は充分でなく、 2か所に給水場があるにも拘らず、脱水気味でゴールする選手が多く見受けられました。
そして、山の中でのコース誘導に当たった スタッフに「水はないですか?」と多くの選手が尋ねたそうです。スタッフたちは自分の携帯していた水や塩をあげたそうですが、 それで十分とは思えません。
このコースには2か所の給水場を設置しています。しかし、立地条件からして、全コースに均等に給水場を設置することは不可能です。 だから、車両の入ることができる場所2か所に設置しています。
それは、スタートから約4q地点とゴール手前5q地点です。だから、 コースの中間部分に当たる最も水を必要とする部分は、各選手が水を携帯しないとなりません。脱水気味に陥ると、本来の パフォーマンスを発揮することができず、どんなに練習を積んでいても、歩く羽目になってしまいます。
冬のスポーツであるマラソンに慣れているランナーの皆さんは、比較的脱水症予防への意識が低いと感じました。十分な量の水と塩分を 携帯して出走すれば、脱水気味にならず、タイムオーバーの選手は グッと減ると感じました。
今後、トライアスリートだけでなく、 ランナーへも脱水症対策をもっと啓蒙しなくは、と思いました。スタッフだけでなく、選手にも脱水症の正しい知識さえあれば、 大会におけるリスクはぐっと減ります。このことはアイランド・シリーズで実証済みです。 因みに、脱水症対策は【こちら】
大会日の3日前にTBSテレビ「噂の!東京マガジン」という番組制作スタッフから取材の申し込みがありました。 この番組は世間で 騒がれている時事問題を取り上げる辛口の番組と云うことが知られており、取材を受けることに躊躇するメンバーもいました。
なぜなら、その番組のテーマが“トレラン”であるなら、山の新参者であるトレランを叩くシナリオになるのであろうと、 誰もが容易に想像できるからです。また、そうでないと番組にならないからです。
今、話題になっている鎌倉市のトレラン規制条例、昨今のトレイルランナーとハイカーの軋轢や近隣住民との軋轢、また、 トレランは自然破壊につながると云う根拠のない話等々、マスコミ受けする材料は幾らでも転がっています。
我々はいい加減な手抜き運営をしている訳ではないので、絶大な影響力のあるテレビを通して、 我々が実践している地域密着型・ 地域活性化型のトレラン大会の存在を世間に知ってもらうのに良い機会となると考えました。
世間一般の人は、そこに山があって、ハイキングコース(山道)があって、だから、それを使って安易にトレラン大会を開催していると 思っていることでしょう。事実、そういうトレラン大会もありますが、全ての大会がそうではありません。小泉元総理ではないですが、 「人生色々、大会運営も色々」です。
また、自然とは、世間が思っているほど軟なモノでもありません。たまに千人程度が走るくらいで自然を破壊することなど 到底できません。 ハイキングコースと云うものは、しばらく人が歩かないと草木に浸食され、消滅してしまいます。
本大会も、5年前の計画段階では“岩茸石山”山頂から“黒山”山頂の約4q区間は久しく人が分け入っていなかった様子で、 草木がコースを覆って山道が分からなくなっている部分が多々ありました。
そこへ分け入ると、斜面の石段は崩れ落ち、非常に危険な状態でした。顔には葉っぱや小枝、それに蜘蛛の巣が触れ、 とてもハイキングコースと呼べるもの ではありませんでした。そこで先ず、地域の人(その山の所有者でもある)と協力し、 ハイキングコースを整備し、誰もが歩けるように 復活させました。その結果、今では多くのハイカーが歩くようになりました。
因みに、また、山道本来の役割は、消火活動、人命救助、災害活動、 森林の手入れ等々で、山には必要不可欠なものです。そこをトレイルランナーやハイカーが歩くことで、自然に道としてキープできる訳です。
今年は2月の大雪による倒木が多く、それらをコース上から取り除くのに時間を要し、すべてが完了したのは大会日の1週間前に なってしまいました。山の雪解けが想像以上に遅かったのが遅れた原因です。
我々は年間通して、地域の人と協力して、コースの維持管理を行っています。そのための、草刈り機3台、チェーンソー、ブロア2台、 それに専用車両を持っています。そんなクラブは“日本広し”と言えども、我々KFCくらいではないか、と思います。
日本のトレラン大会の走りとなった「青梅高水山トレイルラン」のコースである 矢倉台の奥から榎峠までの約7q区間の ハイキングコースについても、最初は消えかかっていた山道の整備から始めました。当時はそれをしないと何も始まらなかったのです。
大会を計画した17年前は、昨今の山ブームは到来しておらず、矢倉台から奥の ハイキングコース(山道)は人の往来がなく、 草木に浸食され、蜘蛛の巣がいっぱいで、山道が消えてしまっていた部分が多々ありました。 また、途中、崩れて道のない部分も ありました。それらを全部整備して、誰もがストレスなく歩けるようにし、大会を開催しました。
その後、山ブームが到来して、今では多くのハイカーがそのコースを歩いています。ハイカーの皆さんは、 これらの経緯を知る由もありませんが ・・・。
今、危惧していることがあります。昨今、高齢者のハイカーを相当数見かけます。おそらく、あと5年10年すれば、高齢者のハイカーは 山から消えるでしょう。そうすれば、山ブームに陰りが出始め、歩く人が減ったハイキングコースの多くは自然消滅するでしょう。
大会当日、TBSテレビの方は、コース上に入り、実際にレースの様子を撮影されていました。
それだけでなく、 我々KFC、 地元成木の大会関係者の皆さん、 視察に来られた東京都環境局のスタッフ(東京都レンジャー)、それに参加者の皆さん等々、 実際に大会に係わっている多くの人々を 取材されていました。
これらの皆さんがどんなコメントをしたのか分かりませんが、我々のやり方を少しは理解してもらえたのではないか、 と思っています。因みに、放映日は5月25日(日)だそうです。
男子優勝者は先月開催の「第16回青梅高水山トレイルラン大会」15q部優勝者の宮野博行選手(千葉県)1:54:35、 女子は連覇の山口季見子選手(東京都)2:27:16でした。
レースの模様は、”百聞は一見にしかず”で巻末の「レポート・フォト」をご覧下さい。
次は9月14日(日)に山梨県小菅村で開催される東京トレランシリーズ第3戦秋季大会 「第6回多摩川源流トレイルラン大会」です。 皆さまのご参加をお待ちしています。
最後に、地球の裏側チリからオスカー・メロという一人の選手が参加しました。グローバルに サッカー関係(クラブチーム運営や グッズの販売等々)の仕事をしているようで、大会日に合わせて日本を訪れたという次第です。
本大会に参加しようと思った動機を尋ねると、KFCのホームページを観て参加したくなった、と答えてくれました。恐るべし、 インターネットの影響力です。
因みに、結果はタイムオーバー(5:01:22)でしたが、たいへん楽しかったと言って、彼女と一緒に帰って行きました。そして、将来、 もしも大西がチリへ行くことになった場合、ホテルの手配はオスカーがしてくれるそうです。おそらく、チリに行くことはないと 思いますが、人生、一寸先、何が起こるか分からない・・・。
On Sunday May 11, 2014 I had a pleasure of participating in the 4th Tokyo Nariki Forest Trail Run hosted by the KFC Triathlon Club. The event took place close to the wonderfully rustic and quaint city of Ome (means ‘green plum’ in Japanese!) located an hour west of central Tokyo on the Chuo train line. The event is a grueling but beautiful 25km trail run around the gorgeous area of Nariki, a humble town that is a welcome breath of fresh air ? far from the maddening crowd and the daily hustle/bustle of the city. Surrounded by winding rivers, lush greenery, a wide variety of flora, fauna and wildlife, Nariki is the ultimate picturesque snapshot of the idyllic Japanese countryside.
The 25km trail course starts off from the Nariki no Ie (The Nariki House), a beautifully designed and very well maintained log cabin that the KFC Triathlon Club built in order to provide a rest area for cyclists and trail runners as there are no convenience stores or any public facilities near the vicinity. The Nariki no Ie has bike racks, bathrooms, showers, benches, and offers space to relax, drink coffee and enjoy snacks ? all for free (the log cabin is partially funded by donations of those who drop by along with funds gathered from the entry fees of various Nariki based KFC Triathlon Club events).
Elevation-wise the racecourse begins at an elevation of 340 meters and then through various ups and downs, climbs to an ultimate height of 969 meters! See the link below for the full course/elevation details:
I arrived at Nariki on the Saturday before the race, taking my bike via a bike carry bag on a train from Tokyo to Higashi Ome Station. From Higashi Ome Station, I put my bike together and rode a nice 10km over to Nariki where the minshuku (lodge) I was staying at called Minshuku Yamajyou was located, very conveniently near the starting line of the trail race.
At Minshuku Yamajyou I was shared a room with a fellow participant and we chatted about our past experiences with trail running, races, and other outdoor adventures while we relaxed before dinner. The dinner was an incredible meal all made with fresh local produce and seafood, complete with delicious rice steamed with bamboo shoots, sashimi, grilled fish, miso soup, among many other delicacies. Stuffed, we called it a night quite early and fell asleep to the quiet calm of the countryside in order to be fully rested before our race the next day.
On Sunday race day, we woke up around 7am to get pumped and ready for the race. After eating a hearty Japanese style breakfast at the minshuku I strolled down to the starting line to check in and register for the event. There were already many people gathering and mulling around, excited for this event ? where there were around 700 participants. I checked in to register, received my participant t-shirt, picked up my power bar and began stretching and warming up with the rest of the participants.
The majority of the participants were Japanese, and the few foreigners who were participating were residents of Japan. However impressively, there was a participant from Chile who had found the event online and came all the way to Nariki to participate!
The starting gun went off and all 700 of us started to jog lightly up a paved hill that quickly transitioned off into a steep climb in the mountains early on. The trail became very steep and narrow, which caused a traffic jam for the first few kilometers of the race, however the crowd thinned out after we reached the top of the initial climb and led to a flat area along a paved path that meandered along the side of the mountain. The entire course was very scenic and beautiful taking us through temples, forests, breathtaking viewpoints, and multiple intense climbs. This was probably the hardest but most rewarding trail run that I had ever attempted yet! The most enjoyable part of the event for me was after the half way turn around point, you would meet other runners coming from the opposite direction either already turning around before you and after you made the turn yourself, meeting those heading towards the turn around. Every runner would great each other with a greeting, either “Otsukaresama (Nice work)!”, “Nice Run!”, “Ganbarou (Let’s do this)!”, and the camaraderie was extremely heartwarming. The last 5km of the trail run was mainly flat/downhill and the speed along with the adrenaline rush was incredible! An ultimate feeling of freedom and exhilaration coursed through my veins that made me recognize the awe of nature, and fall in love trail running all over again. Though it was a tough journey that took just under 4 hours to complete, it was an amazing experience and I cannot wait to participate in my next trail run again soon!!
成木7丁目自治会、里仁会、西東京市役所トレランクラブ
写真提供:小野口健太、池田将、舘岡正俊