2014年10月19日
最高の秋晴れの下、東京都の西部一帯の山間部を舞台に「第3回wiggle東京グランフォンド」(以下、GFと称す)を開催しました。
過去、東京大会と信州聖高原大会のGFを計4本開催してきましたが、 前日の準備段階から晴れと確信できたのは、 5回目にして、本大会が初めてです。 絶好のサイクリング日和となりました。
参加する人も、運営する我々も、協力してくれるボランティも、気持ちの良い一日となりました。 天候に左右されるのは アウトドア・スポーツの宿命ですが、特に、自転車は晴れと雨とでは大違いです。
大会会場は、今年も立正佼成会青梅練成道場の広大な芝生広場です。ここには野球場、トラック、サッカー場等々の立派な スポーツ施設があます。 そして、日頃から地域のスポーツ振興に尽力されており、我々を始め、青梅市体育協会加盟団体の活動にも 甚大なご協力を頂いています。
8時オンタイム、30人ずつのウェーブ・スタート方式です。先ずは最初のサイクル・ステーションである小菅村「ほうれん坊」を 目指します。 そこまでの距離は約45q、標高差は約400mです。
多摩川沿いにある青梅街道を上流に向かって走ります。その後、 風光明媚な奥多摩湖畔道路を 走ります。
ほうれん坊に到着すると、その証として、リストバンドにスタンプを押してもらいます。そして、一休みして、受付で手渡された金券を 使って、そこのスタッフが趣向を凝らして用意してくれた豚汁やフルーツ等々で体力を回復させます。
そして、次に「山のふるさと村」にあるサイクルステーション「レストランやませみ」を目指します。 奥多摩湖畔にあるお洒落なレストランです。距離にして約8q先です。 ここでも到着の証であるスタンプを押してもらいます。そして、食事をしたり、コーラを飲んだりし、一休みします。
今年は奥多摩町が主催する東京国際交流音楽祭という大きなイベントが開催されていました。
内容は、ポピュラー、フラメンコ、 ジャズ、 そして、メインはウィーンフィルを中心に活躍するメンバーを招いてのウィーン・アンサンブルと云った本格的な音楽祭です。
そして、 演奏会場が「レストランやませみ」の裏庭だったので、暫し、音楽を楽しんだ選手もいたようです。
実は、音楽祭と東京GFが同日開催で会場が同じと云うことを知ったのは大会日の1週間ほど前でした。もし、自転車乗りと音楽祭の 観客とにトラブルがあればたいへんと云うことで、奥多摩町のスタッフと話し合いをし、自転車置き場やレストランへの導線を、 従来と変えることで対応することにしました。来年からは日程を違えて開催します。
次に、奥多摩周遊道路を通り13q先にある第3番目のサイクルステーション「檜原都民の森」を目指します。
約10q先にある最大の 難関である 風張峠(1146m)をパスします。ここは東京都の道路最高地点です。この地点までは「東京ヒルクライムOKUTAMAステージ」の コースです。 この地点を境に「東京ヒルクライムHINOHARAステージ」のコースとなり、檜原村まで下りベースとなります。
都民の森に到着すると、到着の証であるスタンプをもらい、「とちの実売店」で一服し、エネルギー補給をして、青梅のゴールを 目指すことになります。
また、「とちの実売店」から100mほど激坂を上った所に東京で最も高い場所にあるレストランとして 有名な「レストランとちの実」が あります。今年は、何と!ここまで上って来て食事をされた参加者が一人いらっしゃったと聞きました。 因みに、金券チケットはここでも 使用可です。
本大会は、先に「東京サイクルステーション・ネットワーク」有りきのイベントで、 東京西部の山間部に点在するこれらの サイクルステーション を一日で走破すれば、距離にして約120q、最大標高差約1000mあり、なかなか楽しいのではなか、という発想から 立ち上げたものです。
しかし、全部のサイクルステーションに立ち寄っていると、日暮れまでには終わらないので、3カ所に絞りました。 大都会東京のGFなど 大したことはないと思いがちですが、このルートは“なんちゃって”が走破できるほど軟(やわ)なコースではありません。 ルートマップは【こちら】
もちろん、これらのサイクルステーションを紹介し、普段もサイクリングで訪れてもらい、地域の活性化に一役買えるようにしたいとの 考えもあります。それ故、地元の皆さんにはたいへんな協力を頂いています。構築から3年が経った今、目に見えて経済効果が表れています。 何事もやってみるのもです。
因みに、東京サイクルステーション・ネットワークは、我々KFCが2011年に山が多い東京都西部地域(青梅市、奥多摩町、小菅村、檜原村)の、 コンビニのない地域に、サイクリストが安心して訪れることができるようにと、地元の人たちの協力を得て構築したものです。
大会の方は、トラブルなく、予定通り順調に展開していました。
ところが、昼頃、「檜原都民の森」付近を通過の参加者やスタッフから 連絡が 入り、「檜原街道をパトカーや救急車がサイレンを鳴らしながら何台も上って来る。それに、へリコブターも飛んでいる。 もしかして、 東京GFの参加者に事故でもあったのでは?」と連絡が入り、運営サイドに一気に緊張が走りました。
しかし、三頭山で登山者の滑落事故があって、その救助ためと云うことがわかりました。皆、胸をなで下ろしました。 事故や怪我のないように 万全の対策を取っているつもりですが、やはり、救急車のサイレンと聞くと、寿命が縮む思いです。
我々が参加者の皆さん対して取っているカバー体制は、次のようなものです。全コースに亘って、全ての交差点(道なりの交差点は除く) とサイクル・ステーションの出入口にガードマンを配置し、皆さんを安全誘導に当たらせます。
そして、先導にモーターバイクを走らせ、それぞれのガードマンの位置を確認したり、参加者の到着時刻を知らせたりします。 それに続いて、 AED&救急キットを携帯した看護士のモータバークが参加者の群れと一緒に走り、 緊急事態に対応します。最後尾には 回収車両が2台付きます。 それぞれが無線機で情報を共有しながらGFを展開させていきます。
また、3カ所のサイクルステーションにも大会スタッフが待機し、到着する参加者の様子やGFの展開状況をチェックします。
最初に大会会場に戻って来られたのは布施浩二選手(新潟県上越市)で、何と時間は12時28分でした。すなわち、4時間半という驚異的な タイムで 走破したことになります。
過去、どの大会でもこの手の驚異的な人はいます。この人たちを集め、チームを作り、本場イタリアや フランスのGFに 参戦させたらおもしろいだろうなぁ。
大会の方は、予定通り夕方5時には全員が戻り、事故、怪我、トラブルはなく、無事に終了しました。途中、 パンクや力不足で回収車の 世話になった人は8名でした。
三多摩観光連盟、都立山のふるさと村「レストランやませみ」、村の駅「ほうれん坊」、檜原都民の森「とちの実売店」、 立正佼成会青梅練成道場、青梅警察署、五日市警察署、上野原警察署、wiggle
写真:西沙織