イベント報告
第1回TOKYO成木の森トレイルラン
1st TOKYO Nariki Forest Trail Run
2011年5月22日
■KFC徒然

5月22日に青梅市成木地区で「成木の家」オープニング・イベントして「第1回TOKYO成木の森トレイルラン」大会を開催した。 「成木の家」の詳細に関しては、こちらをご覧ください。

このトレイルラン大会は青梅市で「Lafuma青梅高水山トレイルラン大会」、「みたけ山トレイルラン大会」に次ぐ第3本目の大会となる。 開催の目的は、成木の家や成木の自然の素晴らしさを広くたくさんの人々に知ってもらいたいがためである。

【ネックはアクセス】

他の2大会に比べて、開催時期は青梅の山がもっとも美しい新緑の5月と申し分ないのだが、駅から大会会場である成木地区までのアクセスが良くない。 距離にすれば、河辺駅からバスで30分ほどなのだが、とにかくバスの本数が少ない。なぜなら、普段は利用者がほとんどいないからだ。

だから、大会の時は臨時バスを手配して対応しなくてはならない。しかし、その臨時バスもマックスで2台までしか手当てできないと 都バス事務所から言われている。こんな事情で、マイカーと臨時バスを併用しても、参加人数は4〜500人で一杯いっぱいだ。

【新緑の綺麗なコース設定】

今年は第1回目ということで、成木の森全域ではなく、その半分を使ってコースを作りを行った。

成木の家をスタートし、清流成木川に沿って常磐林道を 5km上流の源流まで駆け上がる。ここからトレイルが始まり、黒山山頂を目指す。その後、ゴンジリ峠を経て、折返して点である棒の嶺山頂に到着。 この山頂広場からの見晴らしは良く、遠くに赤城山系から日光の男体山の山々を見渡すことができる。

ここを折り返して、黒山山頂まで戻り、東京都と埼玉県の境を尾根沿いに小沢峠まで下り、成木の家近くの中島製材所でゴールするというコース設定た。 このコースには広葉樹の森が多いため、5月の時季は新緑が美しいのが特徴だ。ゴール後、参加者から新緑が素晴らしいコースだったと好評だった。

【朝から快晴、暑くなりそう】

大会当日、天気予報によると午後から雨となっていた。しかし、朝から快晴で、真夏のように暑く、ほんとうに午後から雨になるのかなあという感じだった。

朝の時点で予想を超えた暑さだった。山の中は涼しいとは思うが、急きょ、脱水症の対策として、エイドステーションに水だけでなく、 塩もたっぷり用意した。

五月晴れの頃は誰もが暑さに対応できる体になっていない。それゆえ、この時季は屋外スポーツ中に脱水で倒れ、救急車で搬送されることが多い。 発汗で体内の塩分が不足すると、幾ら水を摂っても、その水は体内に吸収されないがないので危険なのだ。

【心強い地元の協力】

大会運営に関しては、この度も地元成木自治会の皆さんの力が大きかった。

大会会場内とその周辺のアレンジ、民家に沿った常磐林道の誘導、 山の上のエイドステーションなどは自治会の皆さんが担当して下さった。成木の皆さんにはいつも感謝でいっぱいだ。 そして、山の中の誘導に関しては我々KFCと輪千レーシングチームの皆さんとで行った。

4月開催の高水山大会と比べると、参加人数が2割程度と少ないので、 地元の皆さんとの交流が生まれやすく、アットホームな大会となった。

【嫌な不安的中】

朝8時に受付が始まった。車でやって来た選手が受付会場へ集まり始めた。しかし、JR河辺駅からバスでやって来る参加者たちはまだ来ていない。 そして、9時前に臨時バスが2台と定期運行の路線バスが河辺駅から到着した。その途端、会場が人でいっぱいになった。

しかし、8時半頃に、 朝から河辺駅に配置しているスタッフからバスに乗れなかった人が6〜70人くらい駅前に残っていると、連絡が入っていた。 すでに緊急事態が発生していたのである。

最も恐れていたことが起こってしまったのだ。前もっての計算では、臨時バスと定期運行バスで全員を運べるはずだった。 第1回大会ならではのハプニングだ。彼らを残したままではレースを始められない。何とか運ぶ手段を考えなければならない。

そこで、会場に到着した臨時バスの運転手にお願いして、2台とも再度河辺駅へ戻ってもらった。幸い、これらのバスの運行スケジュールが この後も空いていたので、急な追加運行を引受けてもらえた。しかし、もし、運行スケジュールが詰まっていれば・・・。 そして、9時半頃に最終バスが到着した。ヤレヤレだ。皆が胸をなで下ろした。

予想通り、河辺駅から大会会場までのアクセスがこの大会のネックであることが明らかになった。来年への最優先検討課題だ。

【予想通りのレース展開】

そんなこんなで、急きょ、スタート時間を15分遅らせることにした。選手の皆さんは成木の家の前面道路から成木川の上流に向かって 一斉にスタートしていった。

スタートしてまもなく長谷川清勝選手が集団から一人抜け出した。それもそのはず、彼はJR東日本の実業団所属の現役選手だ。過去には、 箱根駅伝も3度出場しており、 東京マラソンも10位に入賞したこともあるエリート選手だ。折返し地点の棒の嶺へはジャスト40分後に到着している。さすがに速いタイムだ。

続いて、2番手にはトライアスロンのエリート選手である松丸真幸選手がやってきた。松丸選手は重量級の体重ながら上りはいつも速い。 また、この日の1カ月前には全日本トライアスロン宮古島大会に出場し、堂々3位でフィニシュしている。 因みに、彼は3月の東日本大震災で職場が大きく被害を受け、自身の生活パターンが大きく狂ってしまったという間接的被災者だ。

競技はスケジュール通りに展開し、12時過ぎにはほとんどの選手がゴールし、怪我人もハプニングもなく終了した。 ゴール会場では美味しいすいとんが振舞われた。お腹を空かせた選手たちには大好評だった。また、この日のために用意された足湯も大人気だった。

【天気予報的中】

そして、表彰式が始まる12時半頃から雨がポツリポツリと落ちてきた。嫌な予感、天気予報が当たってしまった。

表彰式は雨との競争になり、テキパキと進めた。式が終わった頃を見計らってか、大粒の雨が本格的に降り始めた。 そして、その雨をきっかけに関東地区はジメジメした梅雨に入っていった。

雨の前に大会を終わらせることができて、本当にラッキーだった。といっても、後片づけは土砂降りの雨の中でやる羽目になってしまったが・・・。

【来年に向けて】

今年、第1回大会を開催して、たくさんのデータを収集することができた。

これを元に、第2回大会からは、高水山山頂と岩茸石山山頂を加え、 成木の森全域をコースに取り入れたいと考えている。

すなわち、高水山、岩茸石山、黒山、棒の嶺と4つの頂を制覇する周回コースとなり、 今年と比べてかなりタフでエキサイティングなレースに生まれ変わることになる。新たに息を飲むような絶壁からの絶景しポイントも加わり、 距離も伸びて約25kmになる予定だ。お楽しみに!

最後に、東日本大震災への義援金を募るKFCガレージセールの売上金は約10万円に達しました。ご協力、ありがとうございました。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

成木自治会、里仁会

写真提供:小野口健太、池田将、舘岡正俊、西田功