イベント報告
第5回東京ヒルクライムNARIKIステージ
2011年9月4日(日)
5th Tokyo Hillclimb Nariki Stage
■KFC徒然

不幸にも、9月4日(日)開催の「第5回東京ヒルクライムNARIKIステージ」大会は大型台風12号に翻弄されてしまった。

昨年までは8月中ごろの日曜日に開催していた。しかし、この時期はお盆のシーズンと重なり、行き帰りの高速道路の渋滞がひどいということで、 開催日を9月初めに変更した。 それが裏目に出てしまったかっこうだ。

【大会前日】

台風の影響で雨が降ったり止んだりするなか、朝からコースの掃除を始めた。都道である成木街道は何の問題もないので省き、 後半部分に当たる常磐林道を集中して行った。

皆でゴール地点から麓に向かって掃除を始めた。8月に入って継続して掃除を行ってきたので、 そんなに悪いコンディションではない。明日の本番に向けての仕上げの意味で、竹ぼうきで路面に落ちている小枝や葉っぱを掃くことを主に作業を行った。

我々KFCの道路掃除と並行して、地元の建設会社「多摩組」の皆さんが山頂ゴール広場にバイクラックの設置を始めた。バイクラック本体は、 この日に合わせてパイプや金具を加工して、これまた「多摩組」が制作してくれたものだ。感謝!

並行して、成木自治会の皆さんがゴール地点に横断幕を掲げる作業に取りかかった。いつものことだが、掲げられた横断幕を見ると、 いよいよ大会という実感が湧く。

また、表彰式会場では同じく自治会の婦人部の皆さんが集まって、大量の食材を水洗いしたり、カットしたりして、 レース終了後に皆さんへ振舞う豚汁の下準備が始まった。感謝!

続いて、昼頃から地元採石会社「村尾組」の大型道路清掃車がスタート地点から山頂ゴールまで、全コースに亘って路面の清掃作業に入った。感謝!

清掃車で常磐林道を掃除するのは初めてのことだ。強力なワイヤーブラシで路面を磨いて、小さなゴミまで吸いこんでいくのだ。 これまでは竹ぼうきでしか掃いたことしかなく、どんな結果になるのか、楽しみだった。

こんな感じで我々と地元自治会の皆さんとが力を合わせ、明日の本番を完璧な形で選手の皆さんを迎えられるように準備を行った。予定通り、 夕方には全ての作業を終えた。

この時点では、台風の影響は多少あるものの、コースコンディションは悪くなく、雨もそれほど大したことはない。 路面もしっかりしており、土砂崩れの兆候は見られなかった。明日のレースは開催できると皆が感じていた。

【大会当日】

我々スタッフは6:00 am頃に受付会場である成木市民センターへ集合し、選手受付の準備を始めた。

6:30頃、 コースの状況をチェックするために常磐林道へ入っているスタッフから、林道のコース状況はよくないという報告が携帯に入った。 コースを雨水が川となって流れている所が3カ所、中腹から上はガスと降雨で視界が悪い等など・・・だ。

その日の朝、青梅の街中では薄日が差し、犬の散歩をさせている人もいたくらいだった。この連絡が入るまでは、山の天候が荒れているとは思いもしなかった。 山の天気は下界と大きく違うことを改めて実感した。

山間部ではこの日の未明に多量の雨が降ったのだろう。受付会場の前を流れる成木川の水かさからも容易に想像がつく。

スタートまでまだ間があるからしばらく様子を見ることにした。タイム計測機器を山頂にセットアップをするまでには、どうするかを判断しなくては ならない。なぜなら、一旦セットしたら再び移動させることは、時間的に困難だからだ。

7:00amを過ぎても、山の状況は芳しくない、と報告が入る。現場に入っているスタッフからは、こちらからの問い掛けに対して、なかなか肯定的な返事が 返って来ない。

このやりとりから相当に危険と判断し、林道の部分をカットして、成木街道の部分だけで競技を行うことに決めた。 最も怖いのは水をたくさん含んだ山肌の崩壊、すなわち、土砂崩れの発生だ。選手だけでなく、山へ入るスタッフの皆さんの身も心配だ。

【決断と対応】

7:30 amに距離の短縮を発表した。何度経験しても、こういう状況下での変更発表のタイミングは難しいものだ。途中で決断がぶれると、 会場に混乱を生じさせる。そのため、ギリギリのタイミングで一発で決めねばならない。

ゴール地点を5q下へ移動させ、成木の家をゴール地点とした。骨のある激坂部分がカットされることで、競技の魅力が半減するだろう。 上り得意の人には不利に働く。しかし、 スポーツイベントは冒険ではないので、安全が最優先だ。

この発表を受けて、自治会の皆さんは一斉に慌ただしくなった。すでに、山頂ゴール広場にセットしたバイクラックを、悪天候の中、 解体して5q下まで移動し、再び組み立てなくてはならない。

また、ゴール地点でサービスする予定の給水場やスイカなども、麓の会場へ運ばなくてはならない。

タイム計測機器も山頂ではなく、急ぎ、成木の家の前にセットしなくてはならない。それも全ての作業をスタート時間の10:00 amには完了させなくてはならないのだ。

また、豚汁も早く作り始めないといけない。なぜなら、当初の予定より2時間ほど早く選手が表彰式会場へやって来るからだ。

このような大掛かりなイベントはタイムスケジュールに沿って全作業が流れるようにセットされている。そのため、ハプニングへの対応はたいへんだ。 一つの変更が全体の流れに影響を及ぼすためだ。

距離を短縮した事に対して苦言を呈した選手が2人ほどいらっしゃったが、落車や怪我人が発生することもなく、無事に大会を終えることができた。 我々も、自治会の皆さんも、皆一様に胸をなで下ろした。自然を侮ってはいけない。そのことは3・11大震災で日本中が経験済みだ。

・競技の模様は下記レポート・フォトをご覧下さい。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

最後に、NARIKIステージ開催に当たって、ご尽力、ご協力頂いた以下の方々に感謝したいと思います。

青梅市、青梅市成木第7支会、里仁会、青梅警察署、東京都西多摩建設事務所、青梅消防署、東京都森林組合青梅事務所、東京都森林事務所、 飯能市名栗自治会、飯能市下名栗小沢自治会、椛ス摩組、椛コ井組、成木開発梶A渇恆ス摩工業、 トライスポーツ、明治乳業(VAAM)、WACHIレーシングチーム、 鼓代神、米軍横田基地「横田サムライ太鼓」

写真提供:小野口健太、舘岡正俊、 池田将、市川幸次、西田光男