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7月5日(日)に上記大会を開催致しました。今年は、生憎の雨天での開催となってしまいました。
前日の4日(土)正午頃、葉山公園に到着しました。その日の準備段階では、雨は降ってはいないものの、薄曇りの状況で、 いつ雨が降っても おかしくない天候でした。
また、海のコンディションに関しては、風が強く、そのため、沖には白波が立っており、 決して、穏やかとは 言えませんでした。
我々KFCと葉山組とで手分けし、葉山公園の芝生の上に男女更衣室や大会本部となるテントを設営したり、 ゴール地点の砂浜に2艇の ホビーキャット(2つの浮力体とトランポリンがあるヨット)を並べ、ゴールゲートを設営したりしました。
海からの南風が強かったので、 土嚢袋でテントを吹き飛ばされないようにしました。
また、海上では、3日ほど前に海が荒れ、その前に設置しておいたブイ用の根っこが動いてしまっていました。それに関しては、 葉山に住む友人であり、大会実行委員長である溝口さんと地元漁師さんとで、それを元の正しい位置に戻す作業をしました。
夕方、我々が泊まるホテル相洋閣でスタッフとボランティアによる全体ミーティングを行いました。
集まったのは、葉山で海の アクティビティショップを運営されている「BEACH」、 葉山サバニ倶楽部 、 「OCEAN」、それに地元の漁師さんたち、 早稲田セーリング部の学生たちです。 ミーティングが始まった頃には小雨がしとしと降り始めていました。
もう3年目ですから役割については何の心配もありませんが、ただ雨だけが、皆、気になっていました。帰り際、地元の漁師さんが 「今、北の風に変わったので、明日の海は穏やかになるよ、雨は降るけど。」と話されました。実際にその通りになりました。さすが、 葉山の海を熟知した漁師さんです。
大会当日、早朝4時半に起きて、窓から海を見ると、風は止んで、波はなく、海面はべたっとして、 昨日とは全然違っていました。 泳ぎ易そうです。但し、小雨はずっと降り続いていました。
5時半頃には大会会場である葉山公園に行き、準備を始めました。小雨は降っていますが、寒くはありません。水温も24度です。 レース後、 参加者の話では、コース上の一部では海水温の冷たい水域もあったと話していました。おそらく隣接する御用邸の川から 冷たい雨水が流れ込んでいる からでしょう。
朝の準備の方は予定通り、順調です。受付の準備、サザエの浜焼きの用意、タイム計測やゴール地点の セットアップ等々です。
しかし、やっぱり、予想外の問題が起こるモノです。それは選手の上陸地点だけに、幅10mに亘り、ワカメがいっぱい浮遊している ことでした。それ以外の場所には全然ないのに・・・、 地形の所為か、波のいたずらか。
素肌に直接に触れると嫌だろうと思い、10人ほどで手分けして、膝の深さまで入り、全部浜へ拾い上げました。 この作業に 小一時間も要しました。皆、水は暖かく感じると話していました。これを聞いて、海水温は下がっていないと安堵。
また、通常、雨の日のトレラン大会や自転車イベントは、早朝から大会開催の有無を問い合わせる電話がジャンジャン掛かって 来るのですが、 この日に限っては、僅か1件だけでした。携帯をフル充電して、対応に備えていたのですが、肩透かしでした。皆さん、 ホームページから情報を 取っているのでしょう。
7時半頃には、ライフガードのプロ集団ペガサスが到着し、浜へボードを下し、準備を始めていました。 リーダーの小川さんと、もし、 海や風のコンディションが急変した場合の中止のやり方を決めようとしたところ、小川さんは 「こんな良いコンディションで 中止はないですよ、昨日の鎌倉での大会は波が高くたいへんだった。」と話されました。
この界隈のOWSレースを知り尽くした小川さんに間違いはありませんでした。海のコンディションは最後まで良好でした。でも、 雨は降ったり止んだり、視界には影響はなしでした。
予定通り、9時ジャスト、4500mウェット無し部門から2分間隔のウェーブでスタートして行きました。
雨天と云うのに、 予想以上に出席率は良く、約500人弱の選手がスタートして行きました。毎度のことながら、浜から見るスタートシーンは圧巻です。
スタート数分後、2人の選手がジェットスキーで運ばれてきました。その後、途中棄権が10名ほど出ました。気分が悪くなった人、 力尽きた人、寒くなった人等々です。
海上のレスキュー体制としては、ペガサスの15艇のボードを軸に地元葉山のビーチとオーシャンのシングルカヌー20艇、 海の家TST HAYAMAの ジェットスキー2艇、早稲田セーリング部の船、それに地元の漁船が数隻とPerfectな布陣です。 これほど手厚い布陣の大会は他にはないと思います。
本大会はトライアスリートの参加者が多く、腹筋のくっきり割れている選手がたくさん参加していました。明らかに体脂肪は 一桁と思われる選手もいました。こんな選手はウェット着用をお勧めします。
何故なら、水泳、特にオープンウォータースイムにはある程度の体脂肪が必要不可欠なものです。体脂肪が少ないと、 長時間泳いでいるうちに 体が冷えて動かなくなるのは当然で、気合やトレーニングではカバーできるものではありません。
普段、皆さんが練習しているプールの 水温は30度ほどに保たれており、体がその温度に慣れてしまっているのも原因の一つです。
因みに、過去の経験から日本人(東洋人)は冷水温に非常に弱い体質をしていると感じています。白人は水温15度位でも平気で泳ぎます。 ロシア人は10度以下でも泳ぎます。また、クラゲの毒に対し、強い弱いも人種によって全然違います。日本人は弱いです。これら人種に 起因する差はどうすることもできないと思っています。
2名のオリンピアンが参加されました。一人は4500mウェットなし部の優勝者の貴田裕美選手です。 彼女はロンドンオリンピックの OWSに参加され、現在は2016年のリオデジャネイロ・オリンピックを目指して頑張っています。
もう一人は4500mウェットあり部の優勝者の衣笠竜也選手です。1992年バルセロナ大会と1996年アトランタ大会の出場選手です。 2人とも、さすがに光っていました。現役の貴田選手には、ぜひ、リオへ行って欲しいものです。
1500m部門のグリーンキャップが全員スイムアップし、海上には4500m部門のホワイトキャップと3000m部門の オレンジキャップだけに なりました。
その時、計測スタッフから1500m部門の×××番が上陸記録がないとの緊急連絡。一瞬皆に緊張が走りました。
計測データとは別に我々スタッフが スイムアップして来る選手のゼッケンを順番に目視で記録しています。直ぐに、その紙記録から 該当番号を探したが見当たりません。 海上には多くの監視者がいるので、溺れる選手を見落とすわけはない、と思いつつも一抹の心配。
今年は、昨年の経験から、すぐに会場に呼び出しのアナウンスを掛けました。そうしたら友人の方が来られて、その人はもう上がって いますと伝えてくれました。皆、一斉に安堵しました。それで、上陸ルートの詳細を確認したいと思い、その選手をお呼びしたのですが、 結局、現れませんでした。
昨年、途中リタイヤした選手がゴール地点と離れた地点に上陸し、ゴールゲートの後方を通って、自分で計測タグを 返却箱に入れて 帰ってしまいました。この場合、計測データにも、目視の紙にも全く記録なし。記録的には まだ海にいることになります。それで、 大騒ぎになったことがありました。
おそらく、その選手は途中リタイヤだから、申し訳ないと思い、裏手からこっそりと上陸し、止めようと思ったのでしょう。でも、 こういうケースは、監視の限界を超えています。スタッフ全員がその人探しに集中し、空白時間帯が生じ、他の選手の監視がおろそかに なったり、 あり得ない計測ミスまで誘発してしまいます。
どんな場合でも、選手の皆さんは、必ず、決められたゴールゲートの通過をお願いします。棄権する場合は、一言告げて下さい。 想定外の行動を取らないようにお願いします。
トライアスロンやOWSなどの海イベントで毎年死亡事故が発生しています。現に同じ日に開催された須磨のアクアスロン大会と 熱海のOWS大会で重大事故が 起こっています。その後開催のトライアスロン大会でも2大会でスイムの重大事故が起こっています。
海のイベントが危険と隣り合わせであることは重々承知しており、我々運営サイドでは、 選手の皆さんの安全管理には 細心の注意を払い、万全の体制で臨んでします。だから、選手の皆さんも、それぞれの立場で、 ご協力をお願い致します。
葉山町、葉山下山口町内会、下山漁業、葉山ビーチハウス、レスキュー・ペガサス、ザ・グランリゾート葉山、 ビーチ・葉山・アウトドア・フィットネス・クラブ、オーシャン・アウトリガー・カヌー・クラブ、葉山サバニ倶楽部、 チャレンジ・アスリート・ファンデーション、SPACE WOOD、NIKKI、HAYAMA OHHAMA FLEET
写真:小野口健太、武智佑真、池田将