イベント報告
第3回東京ヒルクライムHINOHARAステージ
3rd TOKYO HILLCLIB HINOHARA Stage
2013年6月2日
■KFC徒然

6月2日(日)、東京都檜原村で「第3回東京ヒルクライムHINOHARAステージ」大会が開催されました。

秋(9月29日)に 予定されている東京国体「スポーツ祭東京2013」自転車ロードレース競技のプレ大会としての位置付けでの開催です。

本番の東京国体ロードレース競技は八王子市役所をスタートし、その後、あきる野市内で檜原街道に入り、檜原村役場前を通過して、 山岳ステージとなる奥多摩周遊道路へ、そして、東京都道路最高地点である風張峠(1046m)を超え、奥多摩町にある奥多摩湖畔の公園に ゴールするというものです。走行距離100km超のレースです。

そして、山岳ステージ部分の13kmに関してはHINOHARAステージとコースが重なります。

一方、HINOHARAステージは、檜原村上川乗地区を06:30にスタートします。そして、檜原街道を北上し、奥多摩周遊道路に入り、 ゴール地点である標高1045mの風張峠を目指しというものです。

【注目のプレ大会】

東京国体のプレ大会としては、各市区町村の中でトップを切って開催される大会とあって、都の国体運営担当者や青梅市の 国体担当者の方々も視察にお見えで、注目を浴びながらの開催です。

しかし、生憎、檜原村の行事日程の関係上、参加者数約5000人という日本最大級のヒルクライムイベントである富士山での ヒルクライム大会と開催日が重なってしまいました。そのため参加人数は200名ほどと、昨年より100人も少なくなり、 ちょっと寂しい感が否めませんでした。

優勝は、清宮洋幸選手(千葉県)とワイマント直美選手(東京都)という両強豪が予想通り優勝されました。因みに、2選手とも、 昨年度のシリーズチャンピョンです。レース結果に関しては文末をご覧ください。また、レースの模様は下記レポートフォトを ご覧下さい。

【檜原村ホスピタリティ】

参加人数は減りましたが、参加して下さった200名の選手の皆さんへ、坂本村長を始めとして、村民の皆さん、 役場職員の皆さんの気持ちの籠もった熱い歓迎振りを随所に見ることができました。

前日の受付では、充実した参加賞グッズも然ることながら、焼きたてのヤマメの塩焼きが訪れた選手の皆さん全員に振る舞われました。

そして、レース終了後に都民の森で催された表彰式会場では、これまたカレー、豚汁、ヤマメの塩焼き、ドリンク等々が振舞われ、 至れり尽くせりの歓迎振り。選手の皆さん、一汗かいた直後ということで、カレーや豚汁に群がっていました。

会場内には、朝が早い大会と云うマイナス面を差し引いても余りある檜原村ホスピタリティが溢れていました。

また、国体のプレ大会 と云うことで、マスコットキャラの「ゆりーとくん」も精いっぱいの愛想を振り撒き、会場を盛り上げていました。

【東京ヒルクライムシリーズ全4戦に】

今年から東京ヒルクライムシリーズにHINODEステージが新たに加わりました。この結果、東京ヒルクライムシリーズは年間全4戦 になりました。

元々、HINIODEステージは青梅市に拠点がある実業団の輪千レーシングチームが「日の出町ヒルクライムミーティング」と云う名称で、 日の出町で年間2〜3回実施していたヒルクライムイベントです。

輪千レーシングチームとKFCとは友好関係にあり、HINOHARAステージを始め、他のサイクルイベントでも、以前から色々と協力して もらってます。 因みに、HINODEステージは今シーズンの初戦として、すでに4月14日(日)に開催されました。

【自転車レース後進国、東京】

かつて、東京都は近隣の県に比べ、自転車レースは皆無という自転車レース後進国でした。

2009年8月に奥多摩周遊道路でOKUTAMAステージを立ち上げるまでは、 青梅市の常盤林道で、2007年から我々がNARIKIステージを年1回細々と開催しているだけと云う日陰のイベント、 心もとない状況でした。

因みに、常盤林道というのは青梅市成木地区の山間部にあり、1車線で行き止まりの林道です。通り抜けできないので、 人や車の往来はほとんどありませんでした。但し、近年はヒルクライマーやハイカーが頻繁に訪れるようになっています。

東京都にはマラソンイベントは立派な大会が数多くあるのですが、その当時には誰もが参加できる自転車レースはNARIKIステージ以外に ありませんでした。そのことを、何となく、ずっと不思議に思っていました。

ところが、OKUTAMAステージ開催を機に、NARIKIステージも成木街道(都道)を使えるようになり、ようやく「表に出た」という感じが しました。これで近隣の県と肩を並べることができました。

もちろん、OKUTAMAステージの立ち上げも、NARIKIステージで都道を使うことも、東京都には前例がないということで、 警察や行政など各関係機関との交渉は相当に苦労しました。国内外を問わず、ゼロから大会を作り上げるのは 根気のいるタフな作業なんです。

【国体の効果】

その後、「東京国体2013」開催で自転車ロードレース競技の運営を一部担当することになった檜原村役場関係者が、4年前に OKUTAMAステージを見学されました。それを機に、3年前にHINOHARAステージが誕生しました。

そして、今年、新たに 「日の出町ヒルクライムミーティング」がHINODEステージに名称変更し、東京ヒルクライムシリーズに加わったという次第です。

今、フランスで開催されいる「ツール・ド・フランス」の人気に見られるように自転車レースは世界的に超メジャーなスポーツです。 2020年のオリンピック開催誘致を目指す東京都にとって、そんな自転車レースが無かったと云うのは、何とも寂しい限りです。

かつては自転車レース後進国だった東京都、今では年間4本のヒルクライムレースが開催されており、 自転車レース後進国からは、 もはや脱した感があります。

【来年に向けて】

表彰式で、坂本村長のスピーチにもあったように、来年から檜原村役場をスタート地点にしたい方向での開催を考えています。

これまで役場近くの檜原村総合運動場(駐車場)からスタート地点の上川乗地区までの約10kmを、約30分かけて選手の皆さんは自走で 移動しています。この間は上りベースで、それなりにタフなヒルクライムコースです。それに早朝と云うこともあって、気になる交通量も 非常に少ない状況にあります。だから、この部分を競技コースに組み込んでしまえないかと云う案です。

もちろん、地元警察との話し合いや許可は絶対に必要となります。そうなると、距離は国内最長の25kmとなり、東京都だけでなく、 日本有数のヒルクライムイベントの一つになります。

また、檜原村が主催する村興しイベントとして考えた場合、村役場スタートは絶対に必要と坂本村長は考えられたのでしょう。

確かに、 村主催のイベントなのに何の施設もない上川乗地区の道路上からのスタートではイマイチ締まりがないように思えます。それに比べ、 庁舎施設や駐車スペースやトイレ等々のある村役場スタートの方が、どんなハプニングにも対応でき、安全面を考慮しても、 何かと便利なのは間違いありません。

今年のHINOHARAステージは国体競技自転車ロードレース開催日の兼ね合いから6月2日開催となりました。しかし、来年からは従来の 秋(10月)開催に戻す予定です。

それでは皆さん、次はシリーズ第3戦のOKUTAMAステージでお会いしましょう。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

数馬の湯、檜原村観光協会、東京都森林組合、五日市警察署、東京都建設局西多摩建設事務所、Wachiレーシングチーム、wiggle

写真提供:小野口健太、池田将