イベント報告
第11回Lafuma青梅高水山トレイルラン
2009年4月5日(日)
11th Lafuma Ome Takamizusan Trail Run
■BLOGレポート「青梅高水山トレイルラン 瀕死ながらも完走」

NEGOさんによるBLOGレポートです。リンクをクリックしてご覧ください。

「NEGO blog」by NEGOさん
BLOGタイトル「青梅高水山トレイルラン 瀕死ながらも完走」


■第11回Lafuma青梅高水山トレイルラン参戦記 池田将(青梅市在住)
高水山常福院を目指す選手の列

復路、名郷峠の登りで時計のベルトが壊れた。 「4時間を切れるかもしれない。今の体調なら上出来だ。あと少し無理せずに行こう。」 壊れた時計をザックのポケットに仕舞い込みながら考える。。。

*名郷峠:「ここからがお楽しみだぁ〜!」等、大声で応援してくれるスタッフが居る場所

昨年は知り合いはおらず、一人で参加した。15km走った後「来年はお守りをもらいに行こう。」と強く思った。 15kmはそれなりに力一杯走れたし、成績にも特に不満は無かった。 しかし、ロングを走った人だけが首から下げているお守りはとても輝いて見えた。。。

レース翌週から少しずつ距離を伸ばした。 榎峠まで行ってみると、たまたまKFCの大西さんに居合わせ、お話をさせて頂いた。 そして翌年への希望を更に強くする。 幸い、青梅丘陵へはすぐに行ける距離に住んでいたため、足しげく通う事にした。 5、6月で5回程青梅丘陵を走り、7月には高水山まで行ける様になった。

実力の証であるお守りをゲット!常福院境内にて

しかし、この頃は関門まで100分、往復で6時間近くかかっていた。(その頃既に、関門は85分と発表されていた) 関門まで85分以内で走れるようになったのは、暑い夏が過ぎ、10月になってからのこと。 一番調子が良かった11月には、とうとう75分で関門まで到着できた。 (この時は5kmの給水は発表されてなかったため、500m程短い距離を走っている)

また、昨年7月頃からトレラン仲間がだんだんと増えていた。 12月に仲間からのリクエストがあり、1月1回、2月2回、3月3回の試走会を開催する事にした。

しかし、その後体調が思わしくなくなる。 12月は少々下降気味と言う程度だったが、1月になりロード練習で足を痛めてしまい、練習量が激減した。 そして、調子は更に悪くなる。 調子の悪い中、試走会を開催したが、関門まで85分でたどり着く事ができない。 5km給水上の鉄塔まで45分で通過しないと関門突破が厳しくなるのだが、50分かかってしまう。

胸にはゲットしたお守り、陽気な選手たち

私同様、試走会に来てくれるサブフォークラスのメンバーも関門突破を苦しんでいた。 3月8日の試走会でやっと85分で関門へ到達したが、調子が悪く、軍畑から一人で電車で永山公園へ戻った。 初めての経験だった。

KFC大西さんへ関門突破が非常に厳しいと言う状況を昨年の夏からお伝えしていた。 そして3月に入いり、関門の制限時間を90分に延ばす旨のアナウンスがあった。 これで、渋滞があっても何とか関門は突破できるだろう。

しかし、調子は3月22日がドン底だった。真剣に棄権を検討した。 3月29日に6時間、身体を動かし続けるイベントがあり、ここで本レースへの参加を最終的に判断しようと決めた。 果たして、、、、 3月29日はゆっくりではあったが、6時間身体を動かし続ける事ができ、後半ほど調子が良いと感じられた。 以前より復調している! 気のせいかもしれないが、そう思い込むことにした。

カメラに応じる陽気な女子選手。胸元には実力の証、お守りが・・・

4月4日土曜日、会場の様子を見に風の子太陽の子広場へ向かった。 KFCの面々、宮地藤雄さん、Lafumaの山根さん、佐藤スポーツの出展ブースの方々が会場を作成中だった。

金曜日まで天気予報では日曜日は雨の予報だったが、土曜日の天気予報では晴れに変わっていた。 土曜日も穏やかな天気であり、歩きながら会場周辺の景色をカメラに収めた。 このとき初めて、日曜日には気持ちよく完走できそうな気がした。

4月5日9時55分、先頭が見えるギリギリ位置に自分は居る。 周りには仲間の顔が見え隠れする。 時間をかけてゆっくり帰ってくるつもりなので、レースにしては荷物は多めだ。 「今日はゆっくり行こう。関門はギリギリで構わない。制限時間も目一杯使おう。」 もう一度、心の中で復唱する。

30km部、スタートの瞬間

10時丁度にスタート。ジープ道をゆっくり入る。いつもは駆け上がる、矢倉台の坂も無理せず歩く。 足も心臓も問題ない。 シングルトラックに入る所で、ちょっとした渋滞があったが5km給水所までは40分を切ってたどり着くことが出来た。 給水所から戻り始めると、反対側を15kmのトップ集団が走って来る。それに混ざり、仲間達とハイタッチ。

その先、鉄塔に向かうところで大渋滞に巻き込まれた。鉄塔に着いたときは既に45分経過。 関門に間に合うのか?もう一回渋滞があるとアウトだ。 幸いその後は渋滞はなく、順調に走れたため、関門は85分で通過することができた。 雷電山からの長い階段を下り、まさに榎峠へ出ようとした時、宮原徹さんが戻ってきた。 榎峠ではここ1年で知り合いとなった方々の応援に答える事ができた。

榎峠をクリアした池田さん、いざ、第2シテージ高水山へ

そして関門通過後に「後はゆっくり行けばいい」と、もう一度自分を落ち着かせる。 見晴らし広場では、KFCの大西さんの奥様がいらしたので、ご挨拶させて頂く。 なちゃぎり林道までの上り(ほぼ登山)はマイペースを守る。 なちゃぎり林道では一部歩いた。試走ではここを歩いた事はなかった。

しかし、調子がよくない今、完走のために後半への体力温存もやむなし。 常福院でお守りをもらい、今年5回目のお参りをして、周りに居た仲間とエールを交わす。 水を頂き、バナナを食べ、すぐに復路についた。ここでほぼ2時間だった。 参道へ下っていく途中でも仲間とハイタッチをする。

下りも抑え気味に降り、舗装路の登りも無理せず、歩いている人と同じ速さで走る。 舗装されたなちゃぎり林道が終わり、シングルトラックの下りを前の人についてゆっくり下ると、白岩地区だ。

見晴らし台を駆ける選手たち、背後の山はみたけ山

充実したエイドが嬉しい。塩と梅干を頂く。水は三杯ももらった。 榎峠から雷電山への階段は、この一年で、一体何回登っただろう。 榎峠で折り返したときは楽々と登れたし、高水山まで行った時には、ヘトヘトになりながら登った。今日は、、、 疲れてはいるが、まだしっかり登れている!

雷電山からは無理のない速度で走ったつもりだが、一人、また一人と追い越す事ができた。 追い越される事もあるが、追い越す方が多い。自分はまだ走れている。 見晴らしの良いピークには叔父がいた。今日はボランティアで一日中ここに立っているそうだ。

名郷峠の登りで木に手を着いた瞬間、時計のバンドが壊れた。いや、以前から壊れていた所が、とうとうダメになった。 持って走るわけにも行かないので、ザックのポケットに時計をしまう。 時間を確認するのはこれが最後になるだろう。

バナナをほお張る選手たち、常福院境内にて

「4時間を切れるかもしれない。今の体調なら上出来だ。あと少し無理せずに行こう。」 再度、自分に言い聞かせる。

15kmコースと合流して、三芳山を過ぎたところでは、先週のイベントで一緒だったSuuさんがスタッフとして待機していた。 「往路では気づかなかった」お互いガッチリと握手して通り過ぎる。 最後の給水所の折り返しではまた仲間たち数名とハイタッチをする。ここからは40分でゴールだ。

昨年から、数え切れないほど試走をした。ここからは全て走れるはずの道。事実、自分は走れている。 先週まで、棄権しようかと考えていたのが嘘の様だ。

心臓は苦しかったが、足は攣る気配がない。 矢倉台の急坂も走って下れた。 もう、足を残す必要はない。ひたすら走るだけだ。

ゴールに向かって三芳山辺りを駆ける選手

村雨橋を過ぎると最後のゆるい登りになった。 ここを登れば後は本当に下りのみ。残り500mだ。 色々な事が去来するかと思ったが、意外と無心だった。 最後の舗装路を下るとゴール! 4時間をわずかだが切る事ができた。

ゴールには、一足先にゴールした仲間達が待っていていくれた。 自分は、ゆったりとした満足感が流れる、ゴール後のこの時間が好きだ。 そして自分もこの後ゴールする仲間達を待った。

自分の体と、自分の走りに係って頂いた、家族、仲間そして全ての人を思い出し、感謝しつつ。。。 来年もまた、大好きな青梅丘陵を仲間と一緒に走れる事を願いながら。

■第11回Lafuma青梅高水山トレイルラン参戦記 岡部美穂(東京都在住)
[5年ぶりのレース]
ウォーミングアップのエアロビクス。会場が一つになる瞬間だ

5年ぶりに参加した青梅高水のレースは様変わりしていた。大会名が「山岳マラソン」から「トレイルラン」に変わり、400〜500人 だった参加者も今年は2000人を超えたとか。

近年のトレイルランブームでウエアも色とりどりなものが目立つ。一瞥してどこのメー カーか分からないシューズ。キャップからウエア、シューズ、バックパックまで、カラーコーディネートしたランナーたち。各メー カーのブースも活気を帯びている。ブルー系のジャージの中高年オジ様が目立つマラソン大会とは一味もふた味も違って、大会会場が 華やかでウキウキとした若さに溢れている印象だ。

 

参加賞もスゴイ! 「えっ? これもらえるの?」と聞き返したくなるほどの、7Lのヒップバック。アルファベットで大会 名が刺繍されており、サイドに2つのボトルフォルダーがついたスグレものだ。日帰りトレイルならコレ一つに荷物をつめれば十分な大 きさがある。聞けば3,800円相当とか。ランナーならたまりまくった大会参加賞Tシャツより、使える参加賞は実に嬉しい! 

[レース序盤]
スタート後、約2km地点を駆ける選手の一団。眼下には青梅市街。

エアロビクスの準備体操後、スタートに並ぼうとしたが、なかなか最後尾に着かない。天気はこれ以上ないぐらいのトレイル日和。路面は 乾き、太陽が出ているので温かく、桜も咲き始めた頃の走りやすい陽気だ。

スタート後の渋滞を懸念したが、序盤の道幅は広め。青梅丘陵のハイキングコースを進むのだ。だんだん青梅の町並みが小さくなる。 先月のレースの疲れが残る脚は重いものの、爽やかな山の空気が気分を明るくしてくれる。

途中、折り返すポイントがあり、その先のシングルトラック手前で渋滞が発生。急な登りの手前は仕方がないね。ただ、路面は整備 され、ところどころある急に下る路肩には、ロープが張り巡らされ、大会運営の方々の配慮が感じられ、嬉しくなった。また、渋滞ポイ ントにはなぜか、コース拡大図がはってあり、ちょっとおもしろいなと思った。渋滞するとなんとなく、イライラするものだが、その先の 地図を見ていれば気分が紛れるもの。

先ずは関門突破だ。懸命に駆ける選手たち

第一関門は82〜83分で通過。10km関門の制限時間は90分なので、たいしたアドバンテージはない。

「今の第一関門ですよね?」「俺たち、案外ギリギリだな」なんて会話が耳に入る。周囲の反応だと、まさか自分が第一関門ギリギリ だとは思っておらず、意外なスローペースに驚いているようすだ。私自身、関門の時間など見ていなかったので、余裕のない自分の走りに 改めて驚いた。

[常福院]
高水山常福院へ到着した選手たち

いくつかのエイドで、オレンジやバナナを頂き、ひたすら上り下りを繰り返す。エイドでの地元の人々の温かい対応が嬉しい。すでに折り 返した選手とすれ違う。攻めるような走りは、まるで違う競技をしているアスリートだ。緊迫感がまるでない私は、ランシャツ、ランパン の彼らの敏捷な動きに、目を見張るばかりだった。

 それからしばらくして、激しい階段を上りきるとそこは常福院。和尚さん手作りの長いひも付き御札を首にかけてもらい、お参り の列に並ぶ。そして帰路に着く。といっても私には苦手な下り。飛ぶように降りて行くランナーに道を譲りながら、そろそろ下る。た まにある登りで元気を取り戻し、くだりになると、ソロソロと足を慎重に運ぶのだ。常福院近辺の道は、往路と復路が別々のために混乱 がなくてよかった。

[長い長い帰路]
膝を手で押しながら急坂を上る選手たち

途中のエイドではオレンジを食べて生き返る。タイムスリップしたような集落が目に入る。東京にもこんなところがまだあることが奇跡 のようだ。どんな人たちがどんな暮らしをしているのだろうか? チラリと考えたのもつかの間、先を急ぐ。下りの勢いを利用して、登り の最初だけ走る。急な上り坂の上には、大会スタッフが大声を張り上げていた。

「こんな坂、生活苦に比べれば、たいしたことないぞう!」 その迫力に思わず噴出す。笑える応援というのは、無駄な力が抜けていいもんだなぁ。   その後、「あと6キロ!」の声がかかる。ところがそれからが長い。なかなか道幅の広いハイキングコースに出ない。「あと3キロ!」の声 の頃だろうか。やっとハイキングコースに出て一安心。右下方向には、青梅の町や、桜の木がチラホラと見えてくる。気持ちのいいトレイ ルロードだ。すでに歩いているランナーやストレッチのために立ち止まったランナーを横目に見ながら、ひたすらゴールを目指した。

急坂を獣のように巧みに下る選手たち

 ゴール手前で、常福院の行列で抜かされたランナーを発見! 彼女を抜き返すことだけを考えて、最後の力を振り絞る。そして、ゴール ! 3時間50分をちょっと切ったくらいだ。

 5年前の雨のトレイルとは違い、爽やかな春の一日を堪能した30kmだった。前回は「雨の山もいい」なんてやせ我慢を書いたが、やっぱ りトレイルはお天気がいいな、と思わせてくれた温かい一日だった。

 都内でこんな整備されたトレイルコースを走れることを感謝しつつ、会場でまたオレンジをパクつく。乳酸のたまった身体にオレン ジの甘酸っぱさが染み渡り、心地よい疲労感につつまれて会場をあとにした。

■第11回Lafuma青梅高水山トレイルラン参戦記 高橋佳世(15km部優勝)
左端が高橋選手、表彰式の様子

私は山を走ることはもちろん登ることも大の苦手。自分がトレイルのレースに出る事は考えすら出なかった。『山は面白いよ』と知人 に誘われた事がきっかけに大会にでることになった。走り方や知識も何もないけれどとにかく試走をして肌で感じれば何か掴めるかもしれ ないと何回か山に入った。苦手意識が高い分、なるべく不安要素を取り除きながら下準備をしてきた。

 

レース当日は晴天で心地よく走るには最高のコンディション。スタートを切ると風を感じながら気持ち良く走れた。コース上に距離表示 もなければ応援の人が余りいない事に違和感を感じながらもゴールを目指してとにかく向かった。ゴールした瞬間やっと帰ってきた。という 思いと苦手な事にも挑戦できたという達成感を感じることができた。『山はおもしろいよ』の言葉の中には人との触れ合いであったり様々 な想いがあるという事なのかな…と。それを確信にするためにもまた来年、レースに出たいと思う。

■KFC徒然
【大会へ向けての準備作業】
この日のために整備清掃された林道とトレランを楽しむランナーたち

今年は例年にも増して、尾根道コースの救護体制に力を入れた。 ひとつは2007年にハセツネ大会で夜間に参加者の死亡事故が発生したこと、もうひとつは昨年の当大会で尾根道での怪我人を迅速に 救出するために東京消防庁の救助ヘリを要請したことにより、大会運営の安全管理に関して、警察の許可申請が非常に厳しくなったのだ。

救急ヘリを要請したのは、立地上、救急車が入れる道まで怪我人を搬送することが困難だったためで、生命に直結するような緊急を要す る大怪我だったわけではない。転倒による怪我だった。しかし、その時は競技中に救助ヘリが飛んできたと大騒ぎになったものだ。竹内青 梅市長も心配して、公務を中断して大会会場まで駆けつけて下さった。

十分に整備清掃されたコース、やぐら台の激坂を上る選手の列

大会の開催に際しての警察の許可申請は、これまでは大会の届け出だけで済んだのだが、今年から大会前に競技運営方法や山間部の 救護体制を詳細に報告しなくてはならなくなった。

さらに、大会日の数日前には実際の現場視察として、警察の山岳救助隊と実際にコ ースを周り、危険箇所を実際に見てもらいそれに対する安全対策などを説明した。昨年、救護ヘリで吊上げた地点や怪我人が発生した場 所も当然視察の対象となっている。

本大会は標高の高い山を走るわけでない。全コースが青梅市のハイキングコースで誰もがハイキングを楽しめる里山だ。高山のよ うに緊張を要する危険な個所はない。だから、怪我人といってもコースから滑落したようなものではなく、つまずきによる転倒事故がほ とんどだ。トレランには木の根っこや岩はつきもので、これらの事故は競技者個人が注意するしかない。競技の運営者が唯一できることは、 転倒に対して注意を喚起することぐらいだ。

補修した山道と滑落防止ネット

今年の準備は例年よりも早く、年明け早々から本格的に開始した。昨年の内に全コース状況をチェックし、地元の人の助けを借りて 、路肩を補強するための丸太が腐ったりしている箇所を1月中に修復した。それ以外にも、滑落の危険がある場所にはネットを張ったり、 滑り易い急坂には補助ロープを張ったりする。この対応は10年前から行っているのもで、今に始まったものではない。通常の安全管理 作業の一環だ。

今年は、昨年の教訓から尾根道のコース上で怪我人が発生した場合に備えて救出用の道を整備した。いざというとき使えるように、麓か ら尾根道へ通じる数本の山道全部整備して、腐った丸太橋を掛け替えしたり、下草や灌木を切り取ったり等々をした。しかし、その内1本、 雷電山へ続く山道は長い間人が利用しておらず、樹木が生い茂り復活させることはできなかった。日々自然と接していると、巷で考えられ ているほど自然は軟ではない。3年間ほど手入れを怠ると人工物(山道)は自然に侵食されてしまう。自然は逞しい。

【新しい大会会場】
大会当日朝の「風の子太陽の子広場」の様子

今年は大会会場をこれまでの「総合グランド」から「風の子・太陽の子広場」へ変更した。どちらも永山公園内にある青梅市の施設だ。 この公園は周囲を樹木が生い茂った山に囲まれている。そして、その樹木の間を縫って、一周回30分ほどの変化に富んだトレイルコース が整備されている。

公園の中央部である盆地部分には、管理棟があり、その周りには芝生の広場や、小川が流れており、鯉が放されている池もある。また、 山の斜面にはキャンプ場の施設も整備されている。青梅駅の近くにありながら市街の喧騒を忘れさてくれる別世界に入り込んだような不思 議な感覚に陥る。ミステリーゾーンだ。

場所は、総合グランドの裏手、すなわち、北側に当たる場所で、人眼に付きにくい静かな場所にある。そのため、年間通して、訪れる人 は少ない。しかし、ここは青梅市が誇る素晴らしい公園だ。お手軽に四季折々の自然が楽しめ、管理等の職員の手によって日々掃除が行われ ている。水飲み場や東屋もある。公衆トイレも常に清潔に保たれている。青梅丘陵を試走の節には、ぜひこのミステリーゾーンへ立ち寄られ ては。

竹内青梅市長のスピーチの様子

過去3年間は総合グランドを大会会場にした。それ以前は桜見本園という鉄道公園の対面にある芝生の公園だった。トレイルランには だだっ広いグランドよりも周囲を樹木に囲まれた「風の子・太陽の子広場」の方が似合っていると感じている。2000人程度の規模なら ば、広さ的にも何とかやっていける。

青梅市の職員曰く、かつて、この公園には約2000人もの人が一度に集まったことがないと。大会の前日には管理棟のスタッフ数人が 出て、隅から隅まできれいに掃除をして、選手の皆さんを歓迎して下さった。

【恒例のエアロビクス】
ウォーミングアップのエアロビクスをするランナーたち

9:00に開会式が始まった。今年も竹内青梅市長が開会のご挨拶を、続いて、都議会議員の野村先生が参加者を歓迎するスピーチを して下さった。

これら来賓のご挨拶に続いて、エアロビクス・インストラクターの鈴木さん、大野さん、尾澤さんによる恒例のエアロビクスが始まった。 今年のエアロビクスは女人禁制と云われる土俵の上でやってもらった。KFC大会はみたけ山大会も高水山大会も、第1回大会からスタート 前のウォーミングアップはエアロビクスと決まっている。これが始まると参加者たちはレースモードにスイッチオンとなる。場の雰囲気も 一気に高揚してくる。

【レース展開】
2連覇中の奥宮選手、今年は2位だった。

10:00ジャスト、本大会の冠スポンサーであるLafumaの社長 ジュリアンさんの号砲で、30km部が一斉にスタートした。

その僅か 59分後には宮原徹選手(滝が原自衛隊)が高水山常福院でお守りを受け取った。続いて、長谷川清勝選手(東京都)がトッ プを追う。3 番手が2連覇中の奥宮俊祐選手(自衛隊大宮32連隊)だ。4番手には石郷倫史選手(自衛隊大宮32連隊)、5番手には 半田佑之介選手(セブンヒルズ)が続く。

上位選手は給水もそこそこに復路である表山道を野猿のように駆け下りて行く。優勝は宮原徹選手(タイム2: 02:34)で賞金10万円をゲット、2位は奥宮俊祐選手(タイム2:09:44)、3位は半田佑之介選手(タイム2:12:06) という結果だった。

無敵の女子王者、櫻井教美選手

女子トップで到着したのは国内実力ナンバーワンでもあり、100kmマラソンの世界チャンピォンでもある櫻井教美選手(東京都 )だ。総合でも52番手でやってきたことになる。

10km地点である榎峠まで櫻井選手のすぐ後ろを走っていた佐藤浩巳選手(THE NORTH FACE)は捻挫というアクシデントでリタイヤ、榎峠から救急車で病院へ搬送された。女子優勝は櫻井教美選手(タイム2:43:58)が 連覇し、賞金10万円をゲットした。2位は高木圭子選手(東京都/タイム3:03:00)、3位は古川美奈子選手(千葉県 /タイム3: 05:50)だった。(30km部レース結果はこちら)

Lafuma社長のジュリアンさん。この日が初めてのトレイルラン

15km部は30km部の20分後にスタートした。男子優勝は神田哲広選手(東京都/タイム1:02:17)、2位は栗原孝浩 選手 (相馬ヶ原自衛隊/タイム1:02:52)、3位は石井清加寿選手(齋藤劇団/タイム1:03:50)。因みに、優勝者神田哲広選手 は地元 青梅の選手だ。青梅から優勝者が出たのは初の出来事だ。

女子優勝は本大会が初トレランレースという高橋佳世選手(神奈川県/タイム1:18:30)、マラソンにはない下り坂は怖かったと のコメント。2位は山口美津子選手(神奈川県/タイム1:22:45)、3位は宮本貴美選手(フィルシャコ/タイム1:23:18)だ った。因みに、スターターを務めていただいたLafumaの社長ジュリアンさんは15km部に参加、見事に完走された。 (15km部レース結果はこちら)

市民の部(10km)部は30km部の30分後にスタートした。男子優勝は渡部正史選手(友田町年番/タイム0:59:47)、 2位は芦澤泰弘 選手(タイム101:51)、3位は大森利雄選手(青梅走ろう会/タイム1:03:22)。

女子優勝は竹内亜希子選手(タイム1:01:25)、マラソンにはない下り坂は怖かったと のコメント。2位は武田和代選手(タイム1:08:23)、3位は芦澤留美選手(タイム1:14:21)だ った。 (10km部レース結果はこちら)

【初の試み、賞金10万円】
賞金10万円をゲットした宮原轍選手の完成した走り

ホームページ上も謳ったが、今年の大会には男女優勝者に賞金各10万円を出すことにした。海外のレースでは賞金は当たり前だが、 日本国内のレースでは賞金は出さない大会がほとんどだ。話題性のある有名選手には招待費用としてギャラを出すが、賞金は出さない。 これはフェアではなし、新人が育たない。スポーツは清いものであって、お金は汚れているものというおかしな風潮が日本にあるからだ ろう。

本大会で賞金をだせば、他にも真似して賞金を出すレースが他にも出てくるだろう。金額は多くなくても、日本国内に賞金レース が増えることはマラソンやトレイルランのレベルアップにとって非常に効果があると考えている。来年は男女各1〜3位までに賞金を出 すことに決めている。将来的には優勝賞金を男女各100万円くらいにしたいものだ。

それにしても、今年の東京マラソンが賞金総額1億円という金額には驚いた。日本の マラソン大会もようやく国際的な感覚をもったレースが現れたと感じた。非常に喜ばしいことだ。

【榎峠関門(10km地点)に関して】
関門をクリアして見晴らし台を駆ける選手

関門の設定時間は非常に難しい。長めに設定すると歩きの選手まで通過してしまい、短く設定すると頑張って駆けてきた選手まで通過 できなくなってしまうからだ。しかし、関門は必要と考える。ひとつは何年かレースを続ける中で、自分のコンディションを見極められず、 榎峠の先で消耗して動けなくなってしまう選手が目立ってきたことがある。このような場合、救急車やスタッフが山中に向かうことになる のだが、本人も危険である。

もうひとつは、毎年好意で協力してくれるボランティアの人たちのためである。あまりにもレースが長くなっ てしまうと、特に悪天の場合、山の中のボランティアは本当に辛い。もともと山やスポーツが好きで自分の時間を割いて無償できてくれて いる人たちに気持ち良く過ごして頂きたいとの思いがある。因みに、毎年1割前後の選手が関門不通過となっている。

我々としては、30km部は競技性の高いレースにしたいと考えている。選手の人たちにはしっかり練習を積んで参加してもらいたいと 考えている。一方、15km部は競技性を重視せず、初心者の選手やハイキング気分の選手でも参加できるように考えている。関門はないし 、制限時間も30km部に合わせてあるので、制限時間は無きに等しい(約4時間)。

【今年の最大の反省点】
15km部、スタート直後の選手の列

本大会は今年で11年目の開催となる。しかし、何度やっても反省点はたくさんある。今年の最大の反省点はスタートから5km地点で 渋滞を発生させてしまったことだ。

原因は栗平林道に設置した給水場だ。この給水場が選手の流れを停滞させてしまった。

今年は何としても栗平林道に給水場(5km地点)を設置したかった。近年、気温の高い傾向にあるため、選手の脱水症を防ぐためには 必要と考えたからだ。南の島でトライアスロン大会をやっていると脱水症の怖さは侮れない。この場所 を除けば、折返しの高水山常福院まで、 約15kmに亘って給水場を設置できる場所がないのだ。

2km地点をいく15km部の選手の集団

榎峠(約10km地点)の水場は、昨年から近所の方がご好意で設置して下っているものでオフィシャルのものではない。数十m離れた 麓の家から水道ホースをつないで水を引き上げているもので、水圧などの関係でいつ何時断水するか分からない。

しかし、来年からは往路の栗平林道の給水場は廃止することにした。これで渋滞は解消されるはずだ。選手の皆さんは栗平林道へは下り ず、ハイキングコースに沿ってそのまま奥に進んでもらうことにする。その代わり、各自、高水山までの必要な水を持ってスタートしてもら うことを考えている(普段の練習から水や食料を持って走っているトレイルランナーの皆さんにはあまり違和感がないと思うが)。

山奥に吸い込まれていくカラフルな選手の一団

復路では栗平給水場(約25km地点)を設置する予定だ。そして、15km部に関しては、今年とは反対の時計回りのコース設定とす る。だから、10km地点で栗平給水場に到着することになる。

地球温暖化の所為だろうが、近年は確実に気温が高くなった。数年前までは4月の第1週の週末に桜が咲いていることなど想像もで きなかった。それどころか、高水山常福院辺りには積雪が残っていることも多々あった。また、大会前夜に大雪が降って、雪道のトレラン レースになった年もあったくらいだ。

温かくなることは、例えば極寒の中、山に入っているボランティアには良い反面、ランナーには脱水症の危険という好ましくない反面 もある。

【噂の高水山パワーの不思議】
ゲットした高水山パワーのお守りを見せてくれた選手

昨今、トレイルランナーの間では、高水山常福院で貰ったお守りを身につけて他レースに出ると、タイムが良くなるという噂がある。 最近では、わざわざ遠くから常福院までお守りをもらいに来る人もいるくらいだ。話を聞いてみると・・・、でもきっと、それはお守りだけの 所為ではなく、関門をクリアして高水山までたどり着いたその人自身の実力だ。

いくら里山のハイキングコースを使ったトレランレースと 云えども、きついアップダウンの連続する30kmを4時間半という厳しい制限時間内に走破できる人は相当にポテンシャルが高い選手だ。 誰にでもできるというものではない。高水山のお守りをゲットできたということは、その人自身のポテンシャルが高いという証だ。 お守りは実力の証だ。

【最後に、榎峠周辺のカメラスタッフより】
柄杓で水を飲む選手。これがまた美味い!!

往路の榎峠はスタート地点から始まる青梅丘陵ハイキングコースの終点であり、これから高水山への厳しい登りのスタート地点であること、 そして関門でもあることで、ある意味レースの一つのポイントである。ここまで来て選手は今日の自分のコンディションが良いのか悪いのか、 これからどう頑張っていくのかをちょっと考えるのではないだろうか。

今年も舗装の部分はプロのガードマン(昨年と同じメンバー)、高水山へむかう山道への入り口はベテランボランティア(いつも来てく れるとても元気でにぎやかな素敵な仲間たち)でがっちり固め、選手が来るのを待っている。

関門、見晴らし台を過ぎ、高水山へ登っていくランナーたち

近年は、トップ選手の走りやそのあとに続々とやってくる選手達のナイスランを見ようと、サイクリストや近所の人、選手の家族など応援 団もにぎやかである。榎峠から高水山までは、ひたすら登りが続く。しかも相当厳しい勾配である。車道を渡ってひと登りした所に給水所があ り、選手はみな感謝しながら柄杓で水を飲んだりかぶったりしていく。この給水は、近所のボランティアの人がなんと家からホースを引いてき て水を揚げ、アルミで簡易流し台を作ってくれたものである。素晴らしい!(復路で庭先を通過させて頂くおうちの方です。)

今年、私は選手より一足早く、見晴らし台(高水山までの登りの中間地点くらい)で、選手を待つことにした。トップ選手は榎峠まで例年45 〜50分くらいで到着してしまうので、10:30(スタート30分後)には登り始めた。フォトクリエイトのスタッフは私より一足早く、出発し ているので見晴らし台で合流するはずである。見晴らし台までの登りは辛い。見上げると延々登り坂が見えてガックリしてしまうので、ひたすら足 元を見ながら登る。そしてやっと周りが明るくなって来て、見晴らし台にたどり着くと青い空に山の峰々がすっきり見える。

毎年、外人選手の参加が多い。初めての外人選手は激坂にびっくりするという

この景色と選手をどうやったら一つの写真に収められるのかをしばし考え、あれこれトライしてみる。そうこうしているうち、榎峠の方から歓 声があがり、トップ選手が通過したのがわかる。あとどのくらいで来るのだろうか、トップは奥宮さんだろうか(去年の優勝者)、あの厳しい登り もかけあげるのだろうか、などいろんなことを考えながら、シャッターチャンスを逃すまいとスタンバイする。眼下に何か動くものの気配があり、 トップ選手が来た!おもわずフォトクリエイトの人にも「来ましたね!」と一声かけて、カメラを持つ手に力がはいる。

トップ選手のスピードは凄いものだった。あれだけの厳しい登りをものともせず、ひたすら駆け上がり、駆け抜ける。うぅ、失敗。シャッター押 すのが遅かった。ちょっと間があいて2番手、3番手とくる。みんな息が荒いがスピードを緩めることはない。今度はカメラにしっかり収める。初め のうちは何人かの集団だったり、少し間隔があいたりしていた選手の列が、みるみる途切れることのないカラフルな人の流れになった。

下りベースの気持ちの良いトレイルを駆けるランナー

苦しそうな人、笑顔の人、カメラを向けるとブイサインする人、中には知った顔の人もいて、思わず「マイペース!」と声援を送る。誰もがまた すぐ来る登りに向かい、景色を堪能する間もなく駆け抜けて行った。

選手たちが行ってしまったあと、榎峠の地点に戻る。復路は、選手たちも手前の白岩エイドでしっかり補給したせいか、手造りエイドで水を取る 人はあまり多くない。あと残り10Km。もうひと頑張りである。ここからはハイキングコース出だしの階段を過ぎれば、おおむね下りモードである。

途中でリタイヤする人もいて最寄りの駅の案内などし、最後の選手と追い上げのスタッフ(館山さん)を見届けたら、看板やコーンなど片付けて本 部に戻らねばならない。ガードマンの人たちにお礼を言ったら、「なんだか毎年見てると出てみたくなりますね。」と言っていた。(それは困る。来年 も引き続きガードマンしてもらわないと・・・。)

カメラに敬礼、しんどくてもお茶目な選手

白岩のエイドは、白岩自治会の方々が毎年出て下さっている。帰りにお礼かたがた自治会館(エイドの場所)に寄ってみたら、皆さん勢ぞろいで 宴会の準備ができていて、「一杯いかが?」と声をかけてもらった。満開の桜の木の下で一杯・・心ひかれるのはやまやまだったがグッとこらえてそ の場を後にした。

すでに来年に向けての準備を始めています。常々、参加される皆さんをわくわくさせられるような、あっと驚かせることができるようなイベ ントにしたいと願っています。来年も桜の頃は青梅でお会いしましょう。

【Special Thanks】

高水山常福院 成木7丁目自治会 成木8丁目白岩自治会 青梅山林災害対策協議会 東京都森林組合青梅事務所 青梅市観光協会 青梅市教育委員会  青梅市体育協会  Lafuma, 明治乳業(株)VAAM, 佐藤スポーツ, NATHAN, UNDER ARMOUR, フィールズ

写真提供

舘岡正俊 鈴木裕二 陰山学 西田光男 河野源 田中彰 内田和樹 市川幸次 原広志 中村清隆