KFCトライアスロンクラブ(以下KFCと称す)の「成木の家活動」は今年で早や10年目を迎えることになりました。
そこで、2020年8月30日、KFCのヘッドクォーター(本部)であり、サイクルステーション兼トレランステーションでもある「成木の家」で、 「成木の家活動」10周年記念として、 いつもお世話になっている中島邦彦さんを始め、里仁会の皆さんをご招待して、 夕方から交流会を催しました。また、地元選出の青梅市議会議員山田とし夫さんも出席され、全部で10人ほどになりました。 因みに、一般社団法人「里仁会」とは百年以上前から続く 成木地域の山林の所有者で作る組織です。
コロナ禍の昨今、交流会開催を延期することも考えたのですが、感染対策として、屋外のガーデンテーブルで、 少人数で催すことにしました。因みに、屋外の席だけでマックス30人ほどは収容できます。メインのおもてなし料理は、 裏手にあり、久しく使われていなかった炭焼き窯を改良して作ったピザ窯で焼き上げた自家製ピザです。 それにビール、日本酒、炭酸水、ソーセージ、もつ煮、サイパン風きゅうりの叩き、 アメリカンチェリー、コーヒー等々。
2010年夏頃、KFCの良き理解者である地元成木7丁目の中島邦彦さんに「この辺りで休息できる場所を作れないだろうか」と 相談しました。思えば、これが全ての始まりです。
と云うのは、ヒルクライム大会やトレラン大会の効果で訪れる人が徐々に増えてきたのですが、休息する場所、 トイレ、水道等々が 全くなく、炎天下の道端に座っている自転車乗りを見かけることが多々あったからです。 これでは「ダメだ」と 感じました。頼みのコンビニは約10q(成木川の)下流に一つあるだけです。遠すぎます。
中島さんは大西の思いを汲んで、かつて、そこにあった誰も使っていない古い木造家屋を、半年後の翌2011年1月には角ログの洒落た建物 (中島さんは「小屋」と呼ぶ)に 改修して下さいました。
この古民家の改修計画は前々からあって、 木材はカットされた状態で、久しく倉庫に眠っていたとのこと。そのため、木材一部が虫に食われいたほどだったと云う。 しかし、せっかく改修しても、それを活用する人が 誰もいないので、そのままになっていたと云うことでした。これらを思うと、タイミングが非常に良かったと思います。
そんな折、大西ならば「その建物を地域のために活かしてくれるのでないか」と云うことで、直ちに古民家の 改修工事が 始まりました。この時、大西は当初の計画にはなかった無理なお願いを一つしました。それは裏手の テラス(ウッドデッキ)の 増設です。オープンエアーのテラスは周囲の山や川、それに空気を直に感じることが できるスペースとなるからです。自然豊かな成木にあっては、それがこの建物に必須と思いました。
そして、建物の名称は中島さんと 大西がキャッチボールをして、結局、「成木の家」に決まりました。 周囲からは介護施設のような名称とぶーぶー云われたのですが、「Simple is the Best」で通しました。
続いて、間髪を入れず、KFCメンバーの鍛鉄工芸家西田さんに依頼して、 建物の用途を示すクオリティの高い大型看板と バイクラック2つを制作してもらいました。これらがないと、何のための建物か分からないし、誰も気にかけてくれません。
これらは鉄を真っ赤に熱して、叩いて、作られています。はめ込まれた板は地元成木の木材です。成木の家の文字以外にも自転車乗りとトレイルランナーの シルエットもあります。さらに看板の右上には鉄を叩いて作ったとは思えないほど精密な小鳥が止まっています。また、バイクラックは 子供がぶら下がって遊んでも怪我をしないように全ての角を丸く作ってあります。そして、肝心のバーの高さは ロードバイクに最適の105pで設定されています。
これらを設置したことで「成木の家」がKFCの「成木の家活動」の拠点として、一気に生れ変わりました。 ハイクオリティの看板やバイクラック等々 の演出は「成木の家」を活かすための非常に大切な要素です。
早速、その年(2011年)の5月、すなわち、改修の4か月後、「成木の家活動」の手始めとして、周囲の山々を駆ける 「第1回TOKYO成木の森トレイルラン大会」 を立ち上げました。目的は、地域の活性化の実践と「成木の家」の 年間賃貸料や活動費等々の経費の捻出です。
なぜなら、当初から「成木の家」は 地域活性化のために訪れる人の休憩場として無料開放で運営するつもりだったし、実際にその後10年間はずっとそうしてきました。 「利用料無料」には訪れる人の皆が驚かれます。因みに、オープンは週末(土・日)で、寒い冬場(12月初め〜3月末まで)は クローズです。
しかし、10年が経って、「利用料無料」は、逆に良くないのでは、と思うようになってきました。なぜなら、 外から「何の建物だろう」と遠巻きに眺めるだけの人や、中に入ってきても落ち着かず、遠慮勝ちにされている人が多いからです。 もし、これが「cafe」なら、何もせずとも万人が理解でき、利用しやすいはずです。 それならば、少額(例えば、200円)を施設使用料として払ってもらって、コーヒーやコーラやお菓子を無料にし、 遠慮なくトイレ(洋式ウォシュレット付き)を使ってもらったり、感染対策を考え、屋外のガーデンテーブル等々でゆっくり休憩してもらったりする方が 利用者に喜ばれるのではないか、と感じ始めています。
また、年間通しての常盤林道の整備、久しく手付かずの藪の刈り取り、裏手を流れる水の綺麗な成木川の整備等々の効果で、冬場でも自転車乗りが ヒルクラム練習に、 また、夏場には幼稚園や近所の子供たちが川遊びに訪れるようになっています。 これらの維持管理は非常に大切で、それなりの労力と時間とコストを要します。しかし、 それらが功を奏して、10年前と比べて、確実に成木地区の活性化に貢献できていると感じています。同時に、 「成木の家」の存在価値も上がったと感じています。まさに「継続は力なり」を実感しています。
さらに、「成木の家」の存在をもっと広く周知させるため、KFCのヘッドクォーター(本部)としてネット上に「成木の家」の所在地を登録したことで、 あの【Google map】にも、 その名称「成木の家」を載せることができました。 【こちら】をご覧ください。 それまでのKFCヘッドクォーターはパソコンの中、すなわち、サイバー空間にあり、イベント開催にはそれで十分でした。
今後、コロナとの共存社会を見据えて、屋外施設を充実させようと思っています。すなわち、 裏手の河原の整備やガーデンテーブル等々の完備です。 また、これらとは別に、新たに3次元的な活動を始めようと「withコロナ社会」に向け、KFCネットワークを存分に活かしたプランを温めています。
2020/09/15 KFC記