
日本の3・11を受け、昨年後半にはサイパン島の海岸近くの道路脇のあちらこちらに津波からの避難ルートを示すブルーの標識が設置された。 津波の標識と最短の避難ルートを示す矢印とがセットになったものだ。
サイパンの住民のほとんどが海抜の低い海沿い(海抜1〜5m)に住んでいるので 津波は大きな恐怖だ。さらに、ほとんどのホテルや繁華街もビーチに面している。
いざと云う時、観光客や子供たちは右往左往し、最短の避難ルートが分からない。また、土地感のある住民でも津波を目の当たりにするとパニックを起こすものだ。 だから、標識と云う普段からの教育は大切だ。このアイデアは日本も早急に取りいれた方がいい。因みに、この標識はロタやテニアンにも設置されている。
我々の知る限り、サイパンで大きな地震は起きていない。地震の少ない島なのかも知れない。しかし、もし起これば、この島の地形を考えると、 3・11級の巨大津波に襲われたらひとたまりもない。それを理解している彼らは3・11からの多くを学んだようだ。
200kmほど南方の海上に浮かぶグアム島は地震がよく起きる。1902年のグアム大地震では島内のほとんどの家屋やインフラが壊滅している。
また、記憶に新しい所では1993年8月8日に起こったM8.2の大地震だ。その直後にグアムを訪れたが、インフラはぼろぼろで、全てのホテルは半壊や全壊など の大きなダメージを負っていた。中には、8階建てホテルの1階部分が押しつぶされ、7階建てになっていたホテルもあった。
最近では、2010年8月14日にM7.2クラスの地震が起こっている。この状況を考えれば、グアムも、サイパンも、ロタも、テニアンも、 巨大津波に襲われないと云う保証はどこにもない。喉元過ぎれば、熱さを忘れ勝ちだが、普段から充分な備えが必要だ。